「円安」倒産、50カ月連続 1~8月は30%増の56件、輸入コストが企業を圧迫

2026年09月02日 13:58

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都市部に立ち並ぶビル群。東京商工リサーチによると、2026年1~8月の「円安」関連倒産は56件と前年同期比30.2%増加した(画像はイメージ)

 東京商工リサーチ(TSR)が発表した2026年8月の動向調査によると、円安に伴う仕入れコスト上昇などが経営悪化につながった「円安」関連倒産の発生が長期化しています。

 8月単月の「円安」関連倒産件数は5件で、前年同月の6件から16.6%減少しました。負債総額も5億4700万円と前年同月から85.2%減少しており、単月での大幅な急増は見られません。

 今回の調査で注目されるのは、その継続期間と累計の増加傾向です。「円安」関連倒産は2022年7月から2026年8月まで50カ月連続で発生しており、4年以上にわたって毎月少なくとも1社以上で円安に伴うコスト高が倒産要因として表面化していることになります。

 さらに時間軸を2026年1~8月累計に広げると、件数は56件となり、前年同期の43件から30.2%増加しています。月ごとの件数には上下があるものの、2026年1~8月累計では前年同期を30.2%上回っています。TSRは、現在の推移が続けば、2026年の年間件数が歴史的な高水準であった2024年の83件を上回る可能性があると指摘しています。

 8月の業種別内訳では、小売業が2件、卸売業、運輸業、サービス業ほかが各1件となりました。最大の倒産は、輸入洋品雑貨販売を手掛けるタツミヤインターナショナル(負債額3億円)でした。同社は輸入品を中心に取り扱い、円安による仕入れ費用の上昇で行き詰まったとしています。

 TSRは今後の動向について、円安に伴って輸入材の価格が上昇し、これが幅広い物価高の要因となっていると分析しています。特に資金力や収益力が乏しい企業においては、輸入材などのコスト高がそのまま収益悪化に直結しやすい環境が続いています。

 足元の為替市場に目を向けると、9月2日朝の外国為替市場では円相場が1ドル=160円前後と、引き続き円安水準で推移しています。なお、過去の倒産件数はそれぞれの時期における企業の個別の財務状況や取引環境によって発生したものであり、足元の為替水準が即座に過去の倒産を生んだわけではありません。

 しかし、歴史的な円安水準が日常化するなかで、膨らみ続ける仕入れコスト負担をどこまで吸収・管理し、収益性を維持できるかが、今後の企業経営と倒産動向を左右する焦点となっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)