企業倒産827件、8月として14年ぶり800件超え 物価高・人手不足・後継者難、小規模企業に重圧

2026年09月08日 17:32

自宅修繕

2026年8月の企業倒産は827件となり、サービス業と建設業で全体の約半数を占めた。建設業の倒産は前年同月比18.2%増の182件だった(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

帝国データバンクが8日発表した2026年8月の企業倒産は827件で、前年同月比10.1%増となりました。8月として800件を超えるのは14年ぶり。サービス業と建設業で全体の約半数を占め、物価高、人手不足、後継者難による倒産も前年を上回りました。「個人事業主+資本金1000万円未満」は72.8%を占める一方、業歴10年未満の新興企業は252件、30年以上の企業も251件とほぼ同数。1~8月累計は7199件で、帝国データバンクは年間1万件超えを見込んでいます。

本文
 帝国データバンクが8日に公表した2026年8月の全国企業倒産集計(負債1000万円以上の法的整理が対象)によると、8月の件数は827件(前年同月比10.1%増)、負債総額は1406億9200万円(同24.6%増)となりました。

 前年同月を上回るのは3カ月連続で、8月単月として800件の大台を超えたのは2012年(851件)以来14年ぶりとなります。ただし、前月7月(1037件)との比較では20.3%減となっており、「8月に倒産が急増した」というよりは、前年同月比で高い水準が定着している現状を示しています。1~8月の累計は7199件(前年同期比7.3%増)となり、帝国データバンクは現在のペースで推移した場合、2026年の年間倒産件数は2年連続で1万件を超えるとの見通しを示しています。

■サービスと建設の2業種で全体の約半分

 倒産の発生状況を業種別で見ると、主要7業種のうち4業種で前年同月を上回りました。

 最多はサービス業の223件(前年同月比21.2%増)で、続いて建設業が182件(同18.2%増)、小売業が178件(同9.9%増)、製造業が81件(同12.5%増)となりました。全倒産に占める構成比では、サービス業(27.0%)と建設業(22.0%)の2業種だけで全体の49.0%と、約半数を占めています。

 細かく見ると、サービス業では医療(前年同月7件→19件)や専門サービス(同40件→47件)の増加が目立ち、小売業では飲食店が78件(同27.9%増)へと拡大しました。建設業では大工やコンクリート工事などを含む職別工事業が86件(同28.4%増)と大きく伸びています。

■不況型倒産が8割、経営課題が数値に表出

 倒産の主因別では、「販売不振」が659件(前年同月比8.7%増)と最も多く、全体の79.7%を占めました。これに売掛金回収難や業界不振などを加えた帝国データバンク独自の定義による「不況型倒産」は667件となり、全体に占める割合は80.7%に上っています。

 また、特定の経営課題に起因する特徴的な倒産動向もそれぞれ増加を示しています。

 「物価高倒産」は85件(前年同月比11.8%増)判明し、9カ月連続で前年同月を上回りました。1~8月累計では762件(前年同期比23.9%増)に達し、原材料価格高騰(44件)や人件費(18件)が重荷となっています。「人手不足倒産」は47件(前年同月比38.2%増)となり、このうち従業員10人未満の企業が41件を占めました。

 さらに、「後継者難倒産」は50件(前年同月比47.1%増)で、2013年の集計開始以来初めて3カ月連続の50件台を記録しています。「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」も47件(同9.3%増)発生しており、物価高、人手不足、後継者難、ゼロゼロ融資利用企業の倒産といった異なる動向が、それぞれ個別の数字として表れています。

■小規模事業者が7割、新興と老舗の双方で増加

 倒産企業の規模を見ると、負債「5000万円未満」の倒産が525件(前年同月比12.9%増)で全体の63.5%を占め、8月としては2000年以降で最多となりました。資本金規模では、「個人事業主+資本金1000万円未満」が602件(同6.9%増)となり、全体の72.8%を占めています。

 一方、企業の「年齢」に目を向けると特徴的な数値が確認できます。

 帝国データバンクが業歴10年未満と定義する「新興企業」の倒産は252件(前年同月比20.6%増)となり、構成比は30.5%と2026年に入って初めて3割を超えました。内訳は「3年未満」が38件(同58.3%増)、「5年未満」が60件(同22.4%増)、「10年未満」が154件(同13.2%増)です。

 ただし、倒産が増加しているのは若い会社だけではありません。業歴別で最も件数が多いのは「業歴30年以上」の251件(前年同月比12.1%増)であり、全倒産の30.4%を占めています。8月は業歴10年未満の新興企業(252件)と、長年事業を継続してきた業歴30年以上の企業(251件)が、ほぼ同数ずつカウントされる結果となりました。

 地域別では、近畿が229件(前年同月比25.8%増)で8月として直近15年で最多となり、九州(81件、同37.3%増)や中部(118件、同34.1%増)など西日本を中心に増加が目立ちました。一方で関東(272件、同4.2%減)など前年を下回った地域もあり、地域ごとの斑模様が伺えます。

 1~8月の累計件数は7199件。物価高や人手不足、後継者難といった複数の経営課題が交錯する中、年後半にかけて倒産動向がどのような推移をたどるかが注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)