もみ殻をバイオ炭に加工し、農地へ還元する資源循環のイメージ。ヤンマーエネルギーシステムは、もみ殻100kgから約25kgのバイオ炭を生成する装置の受注を開始した。1台当たり年間約100トンのバイオ炭を製造し、CO2換算で年間約160トンの炭素固定が可能と試算している。(画像:ヤンマーエネルギーシステムリリースより)
今回のニュースのポイント
ヤンマーホールディングス傘下のヤンマーエネルギーシステムは9月15日、稲作に伴い発生するもみ殻を炭化する「もみ殻バイオ炭製造装置」の受注を9月から開始したと発表しました。国内では年間約200万トンのもみ殻が発生すると推定されています。新装置は1時間あたり100kgのもみ殻から約25kgのバイオ炭を生成。同社試算では、装置1台で年間約100トンのバイオ炭を製造し、CO2換算で年間約160トンの炭素固定が可能としています。
本文
ヤンマーエネルギーシステムは2026年9月15日、稲作の過程で生じるもみ殻を有効活用する「もみ殻バイオ炭製造装置」の受注を同年9月より順次開始したと発表しました。
国内の稲作においては、籾摺り(もみすり)の工程で毎年大量のもみ殻が発生します。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の資料等を基にした試算によると、国内におけるもみ殻の発生量は年間約200万トンに上ると推定されています。ヤンマーは、この農業副産物を高温で炭化して「バイオ炭」に変換し、農地へ施用することで、炭素を土壌中に長期間固定する資源循環システムの確立を目指しています。
受注を開始した新装置は、もみ殻を600℃を超える高温で連続的に炭化処理する構造を備えています。処理能力は、もみ殻の投入量が1時間あたり100kg、バイオ炭の生成量が同約25kgです。同社の試算によると、1台の装置で年間約100トンのバイオ炭を製造でき、CO2換算で年間約160トンの炭素固定が可能とされています。なお、この160トンはCO2換算の炭素固定量で、実際のCO2削減量を算出する際には、バイオ炭の製造時および農地への施用時に発生するCO2排出量を別途差し引く必要があります。
生成されたバイオ炭は、土壌の透水性や保水性を改善する土壌改良資材として農地に還元できるほか、J-クレジット制度を活用したカーボンクレジットの創出にも対応します。同社によると、600℃を超える高温で炭化することにより、J-クレジット制度において適用される炭素残存率の指定値(デフォルト値)と比較して約1.37倍の評価が得られる設計となっています。
同社は2023年から本装置の実証試験を重ねてきました。また、本装置に関する事業計画は2026年8月4日付で、みどりの食料システム法に基づく「基盤確立事業実施計画」として農林水産相および経済産業相の認定を受けています。
コメの生産に伴い毎年大量に発生するもみ殻を、炭素固定や土壌改良に活用する資源へと転換する取り組み。今後は実際の自治体や農業法人への導入実績、生成されたバイオ炭によるJ-クレジット創出の具体的な進捗が事業定着に向けた確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













