今回のニュースのポイント
農林水産省が公表した7月のコメ流通に関する速報によると、全国の民間在庫は7月末時点で162万トンとなり、前年同月の92万トンから70万トン増加した。一方で、米穀販売事業者の7月の精米販売数量は前年同月比97.9%と前年を2.1%下回った。販売価格の動きには販路による差が鮮明に表れており、小売事業者向けは前年同月比101.0%とほぼ前年並みまで上昇率が縮小したのに対し、中食・外食事業者等向けは112.6%と、なお前年を1割以上上回る高水準が続いている。
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農林水産省が28日に公表した7月のコメの在庫・販売動向の速報によると、コメ市場で「在庫」「販売量」「価格」がそれぞれ異なる動きを見せていることが分かりました。民間在庫が大幅に増加する一方で販売量は前年を下回り、販売価格はスーパーなどの小売向けが前年並みまで落ち着きを見せる一方、中食・外食向けは依然として前年比で高水準を維持しています。
■コメの民間在庫162万トン、前年より70万トン増加
農水省の「民間在庫の推移」によると、7月末時点のうるち米の民間在庫は、出荷段階と販売段階の合計で162万玄米トンとなりました。前年同月(92万トン)との比較では70万トン増加しています。
段階別の内訳を見ると、出荷段階が117万トン(前年差57万トン増)、販売段階が45万トン(前年差13万トン増)となっています。なお、この民間在庫の数値には、2025年3月以降に入札および随意契約で売り渡された政府備蓄米の数量も含まれています。
■在庫増の一方で7月の販売数量は2.1%減
在庫が増加傾向を示す一方で、コメの販売数量自体は伸び悩んでいます。年間玄米仕入数量5万トン以上の主要な米穀販売事業者を対象とした調査(年間取扱量約150万トン=2025年産米生産量の約2割に相当)によると、7月の精米販売数量は前年同月比97.9%となりました。
販路別では、スーパーなどの「小売事業者向け」が前年同月比101.0%と前年を1.0%上回ったのに対し、「中食・外食事業者等向け」は93.9%と6.1%減少しました。中食・外食向けの落ち込みが響き、販売全体としては前年同月を2.1%下回る水準となっています。
■小売向け価格は前年同月比101.0%に
価格動向においては、販路による違いが際立っています。同調査における7月の精米販売価格動向をみると、小売事業者向けは前年同月比101.0%となりました。
小売向け価格は2025年春に前年比180%台まで大幅に上昇し、2026年に入ってからも1月(124.5%)、2月(115.9%)、3月(104.7%)と前年同月を上回る状態が続いていました。しかし、5月(101.0%)、6月(101.4%)、7月(101.0%)と推移し、前年同月比でみた価格上昇率はほぼ横ばいの水準まで大幅に縮小しています。
■中食・外食向け価格はなお前年比12.6%高
一方、レストランや居酒屋、弁当店などの「中食・外食事業者等向け」の7月販売価格は、前年同月比112.6%となりました。小売向け(101.0%)と比較して高い上昇率を維持しています。
もっとも、中食・外食向けに関しても前年比の上昇ペース自体は減速傾向にあります。2026年の推移を辿ると、1月(150.3%)、3月(127.6%)、5月(119.6%)、7月(112.6%)と徐々に低下しています。前年同月比の上昇率は縮小しているものの、なお前年比で1割以上高い水準にあることが示されています。
■産地で進み具合に明暗、新米流通期の推移が焦点に
産地別の状況を見ると、2025年産米の7月末時点の累計販売数量(対前年同期比)は、新潟(79%)、秋田(86%)、山形(82%)、福島(64%)などで前年を下回る一方、千葉(106%)、岐阜(109%)、兵庫(109%)のように前年を上回る地域もあり、地域や銘柄によって販売の進捗に差が生じています。
今回の結果は、民間在庫が162万トンへと増える中で販売量は前年割れとなり、小売向け価格の上昇が落ち着く一方で中食・外食向け価格の上昇率がなお高いという、複雑な市場環境を示しています。今後は2026年産の新米が順次本格的に流通する時期を迎えます。前年を大きく上回る民間在庫と、販路による価格差が今後どのように推移していくのかが次の観察点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













