米DOE、次世代地熱21案件を選定 9900万ドル超の助成契約交渉へ

2026年09月22日 08:36

地熱発電イメージ

米エネルギー省(DOE)は、地熱エネルギー分野の21プロジェクトを総額9900万ドル超の助成契約交渉の対象として選定。内訳はEGSなどの実地規模試験5件と、地熱資源の探査掘削16件で、現時点では資金交付が確定したものではない。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米エネルギー省(DOE)は9月21日、地熱エネルギーの開発・実証を推進する21のプロジェクトを、総額9900万ドル(約155億円)超の助成契約交渉の対象として選定したと発表しました。内訳は、強化地熱システム(EGS)などを実際の現場で検証する実地規模試験が5件、有望な地熱資源の特定・評価を行う探査掘削が16件です。ただし、今回の決定は最終的な資金交付を確定させたものではなく、今後各事業者との助成契約に向けた交渉段階へ進む手続きとなります。

本文
 米エネルギー省(DOE)の地熱技術局(GTO)は9月21日、全米における地熱エネルギーの資源開拓と技術実証を目的として、計21のプロジェクトを総額9900万ドル超の助成契約交渉対象として選定したと発表しました。今回の発表は、新規の地熱発電所の建設決定や助成金の即時交付を意味するものではありません。事業化に向けた前段階として、技術検証と地下資源の特定を同時並行で進める研究・実証支援枠組みとなります。

 選定された21案件は、目的と検証フェーズに応じて2つの区分に分類されています。1つ目は、強化地熱システム(EGS)などの次世代技術を実際の地下環境で検証する「実地規模試験」の5案件です。EGSは、天然の熱水や十分な透水性が存在しない地下の高温岩盤に対し、人工的に流体経路を形成して熱を取り出す技術です。今回の5案件では、実際の地下環境でEGS技術の検証が行われます。

 2つ目の区分は、16案件が割り当てられている「探査掘削プロジェクト」です。これらの案件では、次世代型や従来型の熱水資源を含む有望な地熱資源について、地下データを取得し、特性や開発可能性を評価するための掘削調査が実施されます。技術実証を行う5案件と、資源を探査する16案件を組み合わせることで、開発プロセスの初期段階を網羅する構成となっています。

 本プログラムの重要な要素としてデータの公開・共有体制が挙げられます。選定された各プロジェクトの探査や実証試験から得られた地質・地熱関連のデータは、DOEが管理する「Geothermal Data Repository(GDR)」を通じて公開される予定です。個別の事業者が得たデータを蓄積・共有する仕組みを整えることで、将来的な地熱資源評価や関連研究へ活用できる基盤を整備する狙いです。

 なお、DOEは公表資料において、今回の選定が助成金の交付を保証するものではないと明示しています。今後、政府側と各選定事業者との間で助成契約の条項に関する交渉が行われ、交渉が不成立となった場合には選定が取り消される可能性も含まれています。発電所の建設や商業運転ではなく、「地下資源の探査」「実地での技術検証」「データの公開」という前段階の案件を選定した点に今回の発表の特徴があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)