米エネルギー省(DOE)は、2025年末に停止予定だったインディアナ州の石炭火力3基について、運転可能な状態を維持する緊急命令を継続。2025年12月の初回命令から約90日単位で命令を重ね、今回の期限は2026年12月18日までとなる。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
米エネルギー省(DOE)は9月19日、インディアナ州のR.M. Schahfer発電所とF.B. Culley発電所について、指定された石炭火力発電設備を引き続き「運転可能な状態」に維持させる緊急命令を発表しました。今回の命令(9月18日発出)の有効期間は9月20日から12月18日までとなります。対象設備の一部はもともと2025年末に停止が予定されていましたが、DOEが2025年12月23日に最初の緊急命令を発出して以降、約90日単位で命令の発出が繰り返されており、今回の延長により停止予定だった石炭火力3基が約1年間にわたり運転可能な状態に維持される形となります。
本文
米連邦政府による既存発電設備の運転可能状態を維持する措置が続いています。米エネルギー省(DOE)は9月19日、インディアナ州にある2箇所の石炭火力発電所を対象に、連邦電力法(FPA)202条(c)に基づく緊急命令(Order No. 202-26-46および202-26-47)を発出したと発表しました。対象となるのは、Northern Indiana Public Service Company(NIPSCO)が所有するR.M. Schahfer発電所の17号機・18号機と、CenterPoint Energyが所有するF.B. Culley発電所の2号機の計3基です。DOEは両事業者および地域送電機関(RTO)であるMidcontinent Independent System Operator(MISO)に対し、対象設備を「運転可能な状態(available to operate)」に維持するための必要な措置を命じました。また、コストを抑えるため経済負荷配分(economic dispatch)を運用に組み込むことも指示されています。
今回の措置で特筆されるのは、一度限りの例外的な一時対応にとどまらず、約90日単位の緊急命令が、初回を含め4回にわたり発出され、約1年間に及んでいるという時間軸の構造です。対象設備の一部はもともと各事業者の計画に基づき2025年末での停止が予定されていました。しかしDOEは2025年12月23日に最初の緊急命令を発出し、2026年3月23日までの維持を命じました。その後も3月24日~6月21日、6月22日~9月19日と更新が継続され、今回の発表によって期限が2026年12月18日まで延ばされることになりました。連邦政府の緊急権限を行使した命令を重ねることで、停止予定だった石炭火力3基が年間を通じて稼働可能状態に置かれ続けています。
これらの設備は単に予備として待機しているだけでなく、実際の電力供給にも投入されています。DOEの公表資料によると、最初の命令が発出されて以降、両発電所は電力需要が高まる時間帯や変動型電源の出力が低下する時間帯に運転され、寒波(Winter Storm Fern)の際にも稼働しました。DOEの3月23日付発表によると、2026年1月23日から2月1日まで、Schahfer発電所は毎日285メガワット超、Culley発電所はほぼ毎日約30メガワットで運転したとしています。
DOEは一連の緊急命令の根拠として、MISOが管轄する中西部地域で増大する電力系統の信頼性リスクに対応し、停電による混乱を防ぐ必要性を挙げています。北米電力信頼度協議会(NERC)の評価などを背景に、同地域における将来的な需要予測の上昇や発電設備の退役に対して、新しい電源の追加が追いつかないリスクを回避することが目的と説明されています。なお、今回の発表の中でDOEは自らの政策成果として、2025年には全米で17ギガワットを超える石炭火力発電容量が停止を免れたとの集計結果を示しています。
停止予定日を過ぎた石炭火力3基を約90日刻みの命令で引き延ばす今回の運用は、12月18日までの時限的な措置です。当該期日を迎えた際に緊急命令がさらに更新されるのか、あるいは本来計画されていた設備の停止や他電源への代替が進むのか、連邦政府による系統信頼性介入の動向が引き続き注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













