米政府、停止原発の再稼働へ最大19億ドル融資 615MWを電力網へ、約50万世帯分

2026年09月13日 14:10

米国エネルギー省

原子力発電所と送電設備のイメージ。米エネルギー省は、2020年に停止したDuane Arnold Energy Centerの再稼働を支援するため、NextEra Energyへの最大19億ドルの融資を金融クローズした。再稼働すれば615MWが電力網へ戻る計画(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米エネルギー省(DOE)は9月8日、アイオワ州リン郡に位置するDuane Arnold Energy Center(デュアン・アーノルド・エネルギーセンター)の再稼働を支援するため、NextEra Energyに対する最大19億ドルの融資(loan)手続きについて金融クローズ(financial close)に達したと発表しました。同原発は2020年に運転を停止しています。計画通り再稼働すれば、615メガワット(MW)のベースロード電源が電力網へ復帰し、DOEの試算によれば約50万世帯に相当する電力供給能力が確保される見通しです。ただし、再稼働の実施には米原子力規制委員会(NRC)によるライセンス認可が前提条件として残されています。

■ 2020年停止の原発、6年後に再稼働計画

 米エネルギー省(DOE)は9月8日、アイオワ州唯一の原子力発電所であるDuane Arnold Energy Centerの再稼働に向けた資金調達支援を発表しました。同原発は2020年に運転を停止していましたが、今回のプロジェクトにより既存設備を再び電力供給網へ戻す計画が進められます。

 米国において拡大する電力需要への対応策としてDOEは、既存原子炉の再稼働、稼働中設備の出力増強、および新規建設の加速を組み合わせることで、国内のクリーンなベースロード電源を拡充する方針を示しています。

■ 最大19億ドル、政府融資が金融クローズ

 今回の資金支援の規模は最大19億ドル(約2900億円)となります。この手続きは政府による無償の補助金給付ではなく、DOEの「Office of Energy Dominance Financing(EDF)」を通じてNextEra Energy側に提供される融資(loan)の金融クローズ(financial close)が完了したことを意味します。

 最大19億ドルの融資について金融クローズした段階であり、最大19億ドル全額が一括して支出されたことを意味するものではありません。DOEは、この融資によってDuane Arnold Energy Centerの再稼働に向けた資金調達を支援します。

■ 615MW、約50万世帯分を電力網へ

 再稼働プロジェクトによって電力網へ復帰する発電能力は615メガワット(MW)と試算されています。DOEはこの出力規模について、約50万世帯へ年間を通じて電力を供給できる水準に相当すると説明しています。

 DOEは、アイオワ州および米中西部地域において増加傾向にある電力需要に対応し、送電網の信頼性を維持するうえで本原発の復帰が重要な役割を果たすとしています。

■ 建設段階1500人、運転時450人超

 本プロジェクトに伴う雇用への影響についてDOEは、再稼働プロジェクトの建設段階で約1,500人の雇用を創出し、運転段階では450人超の雇用を支えると説明しています。

 これら数値は事業計画および政府によるプロジェクト影響評価に基づく見通しであり、現時点で雇用が達成された実績値とは区別して捉えられます。

■ DOE、原発再稼働への融資は3件目

 DOEは、既存原子炉の再稼働に加え、稼働中の原発の出力増強、新規建設の加速を組み合わせた原子力政策を進めています。今回の金融クローズにより、EDFが現政権下で資金提供した原発再稼働案件は計3件となりました。

 停止状態にある既存原発の再活用は、米国の電力供給基盤を早期に強化するための政策的な手段の一つとして位置付けられています。

■ まだ最大の関門がある NRCの認可

 資金調達面で大きな前進がみられた一方で、原発の営業運転再開には法的な手続きが残されています。DOEの発表においても、プロジェクトの進行は「米原子力規制委員会(NRC)による必要なライセンス認可(Pending required U.S. Nuclear Regulatory Commission licensing approvals)」を得ることが前提条件として明確に記載されています。

 再稼働にはNRCによる必要なライセンス認可が残されており、金融クローズしたこと自体が再稼働の確定を意味するものではありません。NRCによる認可の進捗と具体的な運転再開時期が、今後の実質的な確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)