米国産原油の輸入が前年の12倍超、8月は全体の33.7% 中東産は28.4%減

2026年10月15日 14:53

タンカー船イメージ

海上を航行する大型タンカー。経済産業省の石油統計によると、2026年8月の米国産原油輸入量は前年同月の約12.3倍となり、輸入全体の33.7%を占めた(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

経済産業省が2026年10月15日に公表した「石油統計(確報)」2026年8月分によると、米国産原油の輸入量が416万3,125klに急増し、前年同月の約12.3倍(前年同月比1,125.6%増)となりました。輸入構成比は33.7%に達しています。一方、中東産原油は前年同月比28.4%減少したものの、構成比60.7%と過半数を維持しています。なお、原油輸入総量は13.1%増加しましたが、国内の原油処理量は1.8%減少しており、輸入増が直ちに国内需要の拡大を示すものではありません。

本文
 経済産業省が2026年10月15日に公表した「石油統計(確報)」2026年8月分によると、日本の米国産原油の輸入量が急増し、輸入量全体の33.7%を占めたことが分かりました。前年同月(2025年8月)と比較した輸入量は約12.3倍となり、前年同月から大幅に増加しました。

 2026年8月の米国産原油の輸入量は416万3,125kl(キロリットル)となり、前年同月比1,125.6%増(前年同月の1,225.6%)と大幅な増加を示しました。油種別では、WTIミッドランドが308万7,977klと米国産輸入の大半を占めたほか、マーズ(85万3,419kl)やウエスト・テキサス・ライト(22万1,729kl)などが調達されています。

 一方、これまで日本の原油調達の大半を占めてきた中東産原油の輸入量は749万7,969klとなり、前年同月比で28.4%減少(前年同月の71.6%)しました。中東産が原油輸入全体に占める構成比は60.7%となり、依然として全体の約6割を占める最大の調達地域です。

 国別でみると、中東最大の供給国であるサウジアラビアからの輸入量は419万8,910klで前年同月比11.9%減、アラブ首長国連邦(UAE)からの輸入量は313万6,784klで同29.9%減となりました。8月の単月実績においては、米国産原油の輸入量がUAE産を上回り、サウジアラビア産に次ぐ規模となった点が際立っています。

 こうした特定の国からの調達増を背景に、2026年8月の原油輸入総量は1,235万9,845klとなり、前年同月比で13.1%増加(前年同月の113.1%)しました。北米や中南米からの入荷増が全体の輸入量を押し上げる要因となっています。

 ただし、原油輸入総量の増加は、必ずしも国内における石油製品の消費増加を直接意味するものではありません。統計における同月の国内原油処理量(精製業者等による消費量)は1,157万3,650klにとどまり、前年同月比で1.8%減少(前年同月の98.2%)しています。輸入量と精製処理量には差異が存在することに留意が必要です。

 2026年8月における日本の原油輸入は、全体の約3分の1を米国産、約6割を中東産が占める構成となりました。単月の構成比だけでは、長期的な調達傾向を判断できません。

 原油の輸入実績は、タンカーの配船計画や精製計画、在庫調整、定期修理の状況など様々な要因に左右されます。今回の統計結果は8月という単月の実績を示すものであり、このデータのみから日本の中東依存構造が恒常的に変化したと断定することはできません。

 米国産原油の輸入増加が今後も続くのか、中東産の構成比がどう推移するのか、引き続き月次統計を確認する必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)