グローバルサウス支援、81か国464件に拡大 実証終了195件の2割が売上計上

2026年10月20日 05:56

製造ライン

産業用ロボットを備えた製造ライン。経済産業省の報告書によると、日本企業とグローバルサウス諸国の共創事業は、2024~2025年度に81か国・464件が支援対象となった。先行する2023年予算の小規模実証・FS事業195件では、事業終了後1年目に39件が売上を計上した。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

経済産業省がまとめた「日本・グローバルサウス共創プログレスレポート2026」によると、日本企業と現地パートナーによる共創事業の支援実績は2024~2025年度で81か国・464件に拡大しました。先行する2023年予算の小規模実証・実現可能性調査(FS)事業195件のうち、事業終了後1年目で39件(20.0%、うち5件が黒字化)が売上を計上しました。先行案件の一部では実証終了後に売上計上が確認され、事業化に向けた進捗が示されています。

本文
 経済産業省がまとめた2026年版の「日本・グローバルサウス共創プログレスレポート2026」によると、新興国・途上国(グローバルサウス)における日本企業の共創プロジェクト支援案件は、2024~2025年度の2年間で81か国・464件に達しました。さらに、先行して実施された2023年予算の小規模実証・実現可能性調査(FS)事業(195件)では、事業終了後1年目の時点で39件(全体の20.0%)が売上を計上するなど、実証段階から事業化への移行が一部で始まりつつあります。

 本施策「グローバルサウス未来志向型共創等事業」は、日本企業の技術やノウハウと現地企業のニーズ・資源を組み合わせ、両国双方に裨益(ひえき)をもたらすビジネス創出を目的としています。経済産業省は2023~2025年度の各年度に1,500億円規模の予算措置を講じて開発・実証を支援してきました。

 2024~2025年度に採択された464件の支援事業の内訳は、大型実証事業が48件、小規模実証・FS事業が352件、マスタープラン策定事業が64件となっています。主な対象分野は、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、経済安全保障の3分野で、エネルギー・資源からヘルスケア、モビリティ、デジタルインフラまで幅広い領域に及びます。

 国別の展開をみると、インド(78件)をはじめ、インドネシア(65件)、ベトナム(61件)、タイ(56件)、マレーシア(44件)など、南西アジアやASEAN諸国(地域別構成比で全体の45%)に多くの案件が展開されています。複数国にまたがる案件の重複集計が含まれるものの、中南米(ブラジル27件など)やアフリカ(ケニア11件など)、中東、中央アジアなど世界各地域へ展開が広がっています。

 先行して事業期間(1年間)を終了し、5年間のフォローアップ期間の1年目に入っている2023年予算の小規模実証・FS事業195件の進捗状況も公表されました。内訳は、売上達成が34件、売上達成のうえで黒字化まで達した案件が5件となり、これらを合わせた39件(20.0%)が売上を計上しました。残る案件のうち141件は事業継続中、15件は撤退と分類されています。

 報告書では、事業の進展がみられる案件へのヒアリングを基に、「共創体制の構築」「現地ニーズへの適合」「持続可能な収益モデル」「市場参入・販売戦略」「導入価値の可視化」「現地主導の推進体制」という6つの要素を整理しています。制度的・資金的制約が多い現地環境において、実証終了後も自立して事業を継続できる体制づくりが商用化に向けた課題となっています。

 日本企業による海外展開は実証・調査段階から一部で売上計上・事業化の段階へ移りつつあります。もっとも、初期段階での売上計上は継続的な採算性や投資回収を長期的に保証するものではなく、今後はフォローアップを通じて商用化の定着とさらなるスケール化を見極める必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)