FANUC、米国に1800万ドル超の自動化研修施設 年間1万7500人の育成体制

2026年10月20日 10:16

FANUCイメージ

米ミシガン州オーバーンヒルズに開設されたFANUC Americaの自動化研修施設「FANUC Training Academy」。1800万ドル超を投じて整備され、地域研修拠点8カ所を含むネットワーク全体で年間約1万7500人の研修受け入れ能力を備える。(写真提供:FANUC America)

今回のニュースのポイント

ファナックの米国子会社FANUC Americaは米国時間2026年10月19日、ミシガン州オーバーンヒルズに1800万ドル超を投じた新たな自動化研修施設「FANUC Training Academy」を開設したと発表しました。教室数を従来の13室から28室へ拡充。地域研修拠点8カ所を含むネットワーク全体で年間約1万7500人の研修受け入れ能力を備え、製造現場での産業用ロボットや自動化技術の運用人材不足に対応します。

本文
 産業用ロボット世界大手のファナックの米国子会社であるFANUC Americaは米国時間2026年10月19日、ミシガン州オーバーンヒルズの「West Campus」内において、新たな自動化研修施設「FANUC Training Academy」を開設したと発表しました。投資額は1800万ドルを超え、同社によると、企業が運営するロボット・産業自動化研修施設として米国内最大規模ということです。

 新アカデミーの建物は3階建てで、延べ面積は13万2000平方フィート(約1万2263平方メートル)。そのうち研修専用スペースには5万6300平方フィート(約5230平方メートル)が割り当てられています。ミシガン州ロチェスターヒルズの米国本社内にあった旧研修施設(教室数13室)を置き換えるもので、新施設では教室数を28室へと倍増以上に拡充しました。実機を用いた演習空間を広げ、先進的な自動化技術の研修環境を整えています。

 今回の新施設開設により、同社が全米に展開する地域研修拠点8カ所を合わせた研修ネットワーク全体で、年間約1万7500人の研修受け入れ能力を備えました。研修ネットワーク全体では160台を超える産業用ロボットと40台以上のCNC(数値制御)シミュレーターが配置されており、技術者やエンジニアをはじめ、教育関係者、学生、製造現場の従事者らを対象に、プログラミングや保守、運用技術の実践的な教育を提供します。

 北米の製造現場では、人手不足や生産性向上の観点から産業用ロボットや自動化設備、AI対応技術の導入が急速に進んでいます。FANUC Americaの最高経営責任者(CEO)は、先進設備の導入が進む一方で、それらの機器を現場で扱いこなす熟練人材の確保が製造業における共通の大きな課題になっているとの見解を示しています。自動化を推進するためには、ロボット本体や生産ラインへの投資だけでなく、高度な機器を安全かつ効率的に運用できる人材の育成自体が欠かせない投資領域となっていることが背景にあります。

 FANUC Americaは、今回の研修施設投資とは別に、2026年3月にミシガン州の製造拠点拡張に向けて9000万ドルを投じる計画を発表しています。同計画は将来的なロボット製造能力の拡張に対応可能な施設整備を目指すものであり、今回の1800万ドル超の研修施設投資と合わせて、機器の生産基盤と運用人材の育成基盤という両面から北米事業への資金投下を継続しています。なお、今回の研修拠点開設自体によって米国内のロボット生産台数が直接増加するものではありません。

 製造業の自動化投資が本格化するなか、今後は新アカデミーの実際の利用率や修了者の現場定着度、さらには3月公表の製造拠点拡張に伴う将来的な米国内の供給体制整備の進捗状況などが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)