災害時「自宅で避難したい」72.5%、方法を詳しく知る人は14.7% 20万人調査

2026年10月26日 08:07

今回のニュースのポイント

マクロミルが公表した全国20万人防災調査によると、大規模災害時に自宅に倒壊や浸水の危険がない場合、72.5%が「自宅で避難生活を送りたい」と回答しました。一方で在宅避難の内容を詳しく知る人は14.7%にとどまります。過去の大規模被災経験者(3万4,002人)の困りごとでは「食料・水の確保」(39.6%)が最多でした。内閣府は最低3日分・推奨1週間分の備蓄や安全確認を呼びかけています。

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 大規模な自然災害が発生した際、自宅に危険がなければ避難所ではなく住み慣れた自宅にとどまる「在宅避難」への関心が高まる一方、具体的な備えや行動手順の理解には開きがある実態が示されました。株式会社マクロミルが10月20日に公表した調査結果によると、自宅の倒壊や浸水などの危険がない場合に「自宅にとどまって避難生活を送りたい」と回答した人は72.5%に上りました。一方、別の設問で在宅避難の内容を「詳しく知っている」と答えた人は14.7%にとどまり、希望する人の割合と詳しく理解している人の割合には開きが見られました。

 在宅避難とは、家屋の倒壊や浸水、土砂災害などの直接的な危険がなく、住居の安全が確保されている場合に、指定避難所へ移動せず自宅で生活を継続する避難形態を指します。今回の調査は2026年9月4日から15日にかけてインターネット上で実施され、全国の登録モニター20万人が回答しました。割り付けを行わずに回収された標本に基づく調査であり、無作為抽出による全国民の統計的な代表値ではありませんが、20万人という大規模な回答規模から生活者の防災意識の現状を捉えています。

 在宅避難に関する認知状況を詳しく見ると、「内容まで詳しく知っている」の14.7%に対し、「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」が50.1%、「知らなかった」が35.2%となりました。言葉自体の認知度は約6割に達しているものの、実際に自宅で生活を維持するための具体的な手順や物資の準備まで把握している層は限定的です。なお、この結果は認知度を尋ねた独立した設問によるものであり、在宅避難を希望した72.5%の人の中で詳しく知る割合を直接示したものではありません。

 自宅で避難生活を続ける難しさは、過去の被災経験者の声からも浮き彫りとなっています。本調査のうち、避難指示を伴う大規模災害を経験した3万4,002人を対象とした設問(複数回答)では、被災当時に困ったこととして「食料や飲料水の確保」(39.6%)が最も多く挙げられました。次いで「電気・ガス・水道などのライフラインの停止」(38.1%)、「避難生活による精神的ストレス」(37.7%)が続いています。物資の枯渇に加え、インフラ寸断への事前の備えが生活維持の大きな分岐点となることがうかがえます。

 こうした事態を防ぐため、国は家庭内での計画的な物資確保を求めています。内閣府の「令和8年版 防災白書」や防災啓発資料では、災害時に備えた食料や飲料水について「最低3日分、できれば1週間分」の家庭備蓄を推奨しています。特に飲料水の目安量は1人当たり1日3リットルとされており、例えば2人世帯の3日分では18リットル、4人世帯の3日分では36リットルが必要となる計算です。普段使用している食品や飲料を少し多めに購入し、消費した分を買い足しながら常に一定量を保つ「ローリングストック」の活用が有効とされています。

 また、在宅での生活継続には飲食料以外の衛生・生活資材の備えも欠かせません。インフラ停止時を想定し、便器に取り付けて使用する携帯トイレやトイレットペーパー、熱源となるカセットコンロやガスボンベ、停電時の照明となる懐中電灯や予備電池などの準備が推奨されています。さらに、地震の揺れによるケガや室内の損壊を防ぐための家具・家電の転倒防止対策、住宅自体の耐震性確認、家族間での安否確認方法の事前共有も生活空間の安全確保に直結します。

 在宅避難を選択できる大前提は、自宅やその周辺に倒壊や浸水、土砂崩れなどの切迫した危険がないことです。自宅の安全が確保できない場合は、自治体の避難情報などを確認し、指定緊急避難場所や安全な親戚・知人宅などへ避難する必要があります。事前にハザードマップと避難経路を確認し、自宅で安全に過ごせる場合に備えて水や食料、携帯トイレなどを備蓄しておくことが重要です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)