今回のニュースのポイント
米Ocergyは2026年10月26日、3MWの浮体式洋上風力設備「OCG-Wind」を英国北海のCulzeanガス生産施設付近へ曳航したと発表しました。曳航は8月に実施され、同施設の電力需要の20%を供給する計画です。設備の部材はギリシャで製造し、ノルウェーで組み立てました。また、洋上観測ブイ「OCG-Data」をフランス地中海沿岸へ再配備。青森県・むつ小川原沖向けの2基目も製作中で、2027年の設置を予定します。
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米国の洋上設備開発企業Ocergy(オサジー)は10月26日、3MW(3,000kW)の浮体式洋上風力設備「OCG-Wind」について、英国北海のCulzean(カルジーン)ガス生産施設付近への海上曳航を完了したと発表しました。発表によると、現地海域への曳航作業は2026年8月に実施されたとのことです。同設備は、洋上に位置するCulzean生産施設の電力需要の約20%を供給する計画として設計されていますが、今回の発表は設備の曳航完了を伝えたものであり、施設への電力供給実績を示すものではありません。
今回曳航されたOCG-Windは、国際的な分業体制によって製作・施工が進められました。主要な構成部材の製造はギリシャで行われ、その後ノルウェーへと運ばれて浮体構造の最終組立および風力タービンの搭載作業が実施されました。ノルウェーで完成した設備は、タグボートによって北海の設置海域まで曳航されています。浮体式洋上風力発電においては、部材製造、陸上や港湾での組立、長距離の海上搬送という各工程が複数の国や地域にまたがって進められる特徴が、今回のプロジェクト工程からも示されています。
Culzeanガス生産施設に対する電力供給構想では、洋上プラットフォームの消費電力の20%を浮体式風力設備で賄う計画が掲げられています。この20%という比率は、同ガス施設の所要電力に対する計画上の代替比率を指しており、風力設備自体の設備利用率や英国本土の送電網への供給を意味するものではありません。今回の発表では曳航完了が確認されていますが、係留や電力供給設備の接続状況、試運転の実施時期、Culzean施設への供給開始日など、運用面の詳細は明らかにされていません。
同社は風力発電設備と並行して、洋上観測設備「OCG-Data」の展開も進めています。同社によると、観測ブイ「OCG-Data」は「BLUE ORACLE」事業で3年間運用された後、フランス地中海の浮体式洋上風力サイト「Golfe de Fos 1」で実施する環境監視事業「MARE」向けに再配備されました。同事業では、さらに3年間の運用が計画されています。風力タービンを持たない観測ブイは、風況や波浪、海洋環境などの基礎データを収集・分析するための専門設備であり、洋上風力プロジェクトの事業化判断を支える役割を担っています。
さらに同社は、日本市場に向けた取り組みとして、2基目となるOCG-Data観測ブイを現在製作中であると発表しました。この観測ブイは、青森県・むつ小川原沖に整備されている洋上風力試験サイト向けに供給されるもので、2027年の現地設置が予定されています。同プロジェクトは、日本の九電みらいエナジーが主導し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が資金支援を行う研究開発事業の一環として位置づけられています。なお、今回の発表は観測ブイの製作であり、新たな商用洋上風力発電所の建設決定を示すものではありません。
今回の発表では、英国での浮体式風力設備の曳航完了、フランスでの観測ブイ再配備、そして日本向け観測ブイの製作という3つの進捗が示されました。一方で、英国設備による具体的な発電実績や電力供給開始日、日本向けブイの契約金額などは公表されていません。今後は、英国のCulzean施設における実際の電力供給への移行状況や、2027年に予定される青森県沖への観測ブイ設置に向けた製作・輸送作業の進捗が注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













