高市首相、ガソリン補助を12月から段階的に見直し 基準価格を月5円引き上げ、冬の光熱費支援も実施へ

2026年10月29日 21:07

画・長期化する原油価格低下 日本を含めた世界各国への影響は?

ガソリンスタンドの給油設備。政府は12月以降、ガソリン補助制度の基準価格を段階的に引き上げる方針を示した(イメージ写真)

今回のニュースのポイント

高市首相は2026年10月29日の記者会見で、ガソリンなど燃料油の激変緩和措置について、12月以降、春先に向けて制度の基準価格を毎月5円ずつ引き上げることを基本に見直す方針を表明しました。補助の完全終了時期は予断を持たないとしています。一方、冬の物価高対策として電気・ガス料金支援を12月から2月まで前倒し実施し、標準家庭で計約7,000円の負担軽減を見込むと説明しました。

本文
 高市首相は2026年10月29日、首相官邸で記者会見を開き、今後の物価高対策について説明しました。ガソリンなど燃料油に対する激変緩和措置について、12月以降、春先に向けて制度上の基準価格を毎月5円ずつ引き上げることを基本に見直す方針を表明しました。あわせて、冬季の光熱費高騰に対応するため、電気・ガス料金の支援を12月から翌年2月まで実施すると発表しました。

 ガソリン補助の見直しは、与野党から寄せられた段階的な見直しや出口戦略に関する提言を踏まえ、持続可能な制度への円滑な移行を図るものです。12月以降、原油価格の動向を注視しつつ、制度の基準価格を毎月5円ずつ引き上げていく方針ですが、これは補助制度上の基準の変更であり、店頭小売価格が毎月5円値上がりすることを意味するものではありません。

 首相の説明によると、ガソリンの補助単価は足元で1リットル当たり50円を超え、2022年1月の措置開始以降で過去最高水準に達しています。価格抑制に伴う財政支出は1日当たり100億円を超えるペースで、燃料支援基金への支出額は累計約9.6兆円、高市内閣発足後で約1.4兆円に上っています。

 質疑応答で基準価格の引き上げ期間や補助の完全終了時期を問われた首相は、現時点で具体的な見通しを示すことはできないとの考えを示し、完全終了時期を明言しませんでした。実際の小売価格は原油価格や為替、流通費用などに左右されるため、国民生活や経済活動への影響に配慮しつつ見極める考えです。

 一方、冬の暖房需要期における家計負担軽減策として、電気・ガス料金支援を実施します。前回は1月開始でしたが、寒さが本格化する12月に前倒しします。電気料金の支援単価は1キロワット時(kWh)当たり12月が1円、2027年1月と2月が各4.5円とし、ガス料金も支援します。標準的な家庭において3カ月合計で約7,000円の負担軽減を見込んでいます。

 なお、2027年3月の支援は気候やエネルギー動向を見極めて検討するとし、現時点で実施は未定です。また、寒冷地で不可欠な灯油については、輸入灯油への財政措置をはじめ流通円滑化対策を強化する方針を示しました。

 今回の見直しが政府の財政負担の限界によるものかとの質問に対し、首相はそのような判断ではないと否定しました。基金への支出が巨額になっている事実には触れつつ、税金を賢く使い必要な分野へ財源を振り向ける判断だと説明しました。あわせて、年末調整を通じた税負担軽減や、国会審議中の飲食料品消費税率引き下げの必要性にも言及しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)