今回のニュースのポイント
アイシンが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比7.3%増の2兆6,531億円、営業利益が同16.3%減の804億円となりました。円安進行や合理化の進展があったものの、売上構成の変動や中東情勢によるアルミ価格高騰、災害等の一過性要因が利益を圧迫しました。通期売上収益予想は据え置いた一方、営業利益予想は2,150億円へ下方修正しました。一方、HEVとeAxleを合わせた電動ユニット販売台数は前年同期比39.5%増と大きく伸長しています。
本文
自動車部品大手のアイシンは2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月)の連結決算(IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比7.3%増の2兆6,531億円(2兆6,531億3,300万円)となった一方、営業利益は同16.3%減の804億円(804億1,900万円)と増収減益となりました。営業利益率は前年同期の3.9%から3.0%へと低下しました。税引前中間利益は同17.4%減の879億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同28.9%減の497億円(496億6,700万円)でした。
同社は中間期の実績および足元の事業環境を踏まえ、2027年3月期の通期連結業績予想を修正しました。売上収益予想は期初公表の5兆2,500億円(前期比2.6%増)を据え置いた一方、営業利益予想は従来の2,350億円から200億円引き下げ、前期比6.0%減の2,150億円へ下方修正しました。親会社の所有者に帰属する当期利益予想も1,500億円から1,350億円(前期比21.4%減)へと150億円引き下げています。
中間期の営業利益増減分析における各要因の寄与額を見ると、為替の円安進行による利益押し上げ効果が244億円、工場生産性向上や物流改革など企業体質改善・構造改革効果が314億円のプラス寄与となりました。しかし、売価・構成変動を中心とする売上・構成変動等で355億円下押しされたほか、中東情勢に伴うアルミ価格高騰の影響がマイナス128億円、熊本地震などの影響を含む災害・その他一過性の特殊要因がマイナス109億円、人や将来への投資がマイナス150億円の負担となり、増益要因を打ち消しました。なお、特殊要因のマイナス109億円は熊本地震による損失のみを指すものではなく、一過性の特殊要因全体を合算した数値です。
一方、製品動向ではパワートレイン販売構成の変化が見られました。AT、CVT、HEV、eAxleを合わせたパワートレインユニット全体の販売台数は、得意先の生産減少などを背景に前年同期比3.8%減の497万台(前年同期は517万台)へ縮小しました。しかし、このうちハイブリッド車(HEV)とeAxleを合わせた「電動ユニット」の販売台数は、前年同期の120万台から168万台へと39.5%の大幅増加を記録しました。この伸びは電気自動車専用ユニットのみの増加を示すものではなく、HEV向けユニットの拡大を含めた実績です。
会社公表の販売台数に基づき編集部が算出したところ、パワートレインユニット全体に占める電動ユニットの台数構成比は、前年同期の約23%(約23.2%)から今中間期は約34%(約33.8%)へと約11ポイント上昇しました。パワートレインユニット全体の販売台数が減少する一方、HEVとeAxleを合わせた電動ユニットの販売台数と構成比が上昇し、同社の製品構成の変化が鮮明になっています。
得意先別および地域別の動向では、得意先別でトヨタグループ向け売上収益が1兆9,074億円と前年同期比10.8%増え、売上構成比は71.9%に高まりました。一方、競争環境が厳しい中国市場において、得意先区分の一つである中国民族系メーカー向け売上収益は同24.9%減の744億円(前年同期は990億円)へ縮小しました。これは中国市場全体の売上を示すものではなく、特定の得意先群の実績です。所在地セグメント別の営業利益では、北米が同41.4%増の119億円と伸長したのに対し、中国は同63.4%減の74億円に落ち込み、欧州は20億円の営業損失(前年同期は34億円の黒字)となりました。
通期の見通しについて、同社はパワートレインユニット全体の年間販売台数予想を従来の1,070万台から1,010万台へ、電動ユニット予想を375万台から352万台へとそれぞれ引き下げました。ただし、修正後の電動ユニット販売台数予想(352万台)は従来予想から23万台下方修正されたものの、前期実績(269万台)との比較では31.0%増と引き続き高い伸びを見込んでいます。年間配当予想は期初公表の1株あたり75円(中間配当35円、期末配当予想40円)を据え置き、前期比5円の増配を維持する方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













