今回のニュースのポイント
米アップルが発表した2026年7~9月期決算は、売上高が前年同期比12%増の約1,145億ドルとなり、同四半期として過去最高を記録しました。iPhoneやサービス事業が成長を牽引した一方、iPadやウェアラブルは減収となりました。売上総利益率は47.9%に達したものの、関税還付による約1ポイントの押し上げ効果が含まれます。次期10~12月期は部材費やAI関連費用の増加により利益率が45~46%へ低下する見通しで、成長の持続性が焦点となります。
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米アップル(Apple)が米国時間2026年11月2日に発表した2026会計年度第4四半期(2026年6月28日~9月26日、一般的に7~9月期)決算は、売上高が前年同期比12%増の約1,145億ドルとなり、7~9月期として過去最高を記録しました。主力製品であるiPhoneやサービス事業の堅調な拡大が増収を牽引しました。一方で、当四半期の売上総利益率(グロスマージン)47.9%には、関税還付による約1パーセンテージポイントの押し上げ効果が含まれています。事業自体の好調さに加え、一時的な特殊要因が利益水準をかさ上げした側面もあり、数字の内実を冷静に見極める必要があります。
公表された主要業績を確認すると、売上高は前年同期の1,024億6,600万ドルから約11.7%増(公式発表の丸め値で12%増)となる1,144億7,700万ドル(約1,145億ドル)に達しました。純利益は前年同期の274億6,600万ドルから約11.8%増の307億1,100万ドル(約307億ドル)となり、希薄化後1株当たり利益(EPS)は前年同期の1.85ドルから約13.5%増(丸め値で14%増)の2.10ドルとなりました。売上高だけでなく、純利益とEPSも7~9月期として過去最高水準を更新しています。なお、2026会計年度通期の業績も、売上高が前期比約15%増の4,788億3,400万ドル、純利益が約18%増の1,321億7,500万ドルとともに過去最高を記録し、年間を通じた事業基盤の厚みを示しました。
製品・サービス別の売上高を見ると、事業部門ごとに明暗が分かれる結果となりました。売上全体の半分近くを占めるiPhone事業の売上高は、前年同期比約17%増の約576億ドルに達し、7~9月期としての過去最高を更新して全社の増収を牽引しました。また、アプリ配信や各種デジタルコンテンツを含むサービス事業の売上高も約10%増の約316億ドルとなり、四半期ベースの過去最高を記録しました。さらにMac事業も約24%増の約108億ドルと大幅な伸びを示しました。一方、iPad事業の売上高は約10%減の約62億ドル、ウェアラブル・ホーム・アクセサリー事業は約8%減の約83億ドルと減収となりました。同社の業績拡大はすべての製品が伸びたわけではなく、iPhone、サービス、Macに支えられた構造です。
今回の決算を分析するうえで最大の論点となるのが、利益率に及ぼした関税還付の影響です。当四半期の売上総利益率は47.9%と高水準を記録しましたが、同社の公式開示によると、これには関税還付に伴う約1パーセンテージポイントの押し上げ効果が含まれています。さらに、EPSの2.10ドルに対しても0.05ドルの押し上げ要因として寄与しました。この還付影響を単純に差し引いた売上総利益率は約46.9%という参考計算になりますが、これは会社側が正式に発表した調整後指標ではありません。公表された47.9%という数値を通常の事業活動のみによる収益性の向上と同一視することはできず、一時的な特殊要因が利益率を押し上げた事実を切り離して評価する必要があります。
今後の収益性を見通すうえでは、次の2027会計年度第1四半期(2026年10~12月期)の利益水準の行方が焦点となります。決算発表後の説明会において同社経営陣が示した見通しによると、10~12月期の売上総利益率は45~46%程度に落ち着く見込みです。これは7~9月期の47.9%を下回る水準です。決算説明会では、メモリー関連コストの上昇やSiriのAI機能に関連する費用などが、次期の利益率に影響する要因として説明されています。また、7~9月期の利益率には関税還付による一時的な押し上げ効果が含まれており、両四半期を比較する際にはこの点にも留意が必要です。利益率の低下見通しは直ちに利益総額の減少を意味するものではありませんが、コスト負担の増大は意識されやすい局面です。なお、2026年9月に就任したジョン・ターナス新CEOのもとで迎えた初の決算であり、今後のAI投資戦略と収益構造のバランスが注目されます。
今回の決算では、iPhoneとサービス事業の売上拡大が、Apple全体の増収を支えたことが確認できます。しかし、7~9月期の利益率改善には一時的な関税還付の後押しがあった点、そして一部のハードウェア製品では減収が続いている点は見過ごせません。年末商戦を含む次期以降は、部材調達コストやAI関連投資に伴う費用を吸収しながら、どれだけ利益率の底堅さを維持できるかが試されます。単に「過去最高」という見出しにとらわれることなく、売上の拡大基調とコスト増がせめぎ合う収益構造の持続可能性を冷静に見極める姿勢が求められています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













