今回のニュースのポイント
関西電力(9503)が2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比11.3%増の2兆2,351億円となった一方、経常利益は同64.6%減の1,115億円と大幅減益となりました。中東情勢を受けた燃料費等の増加や原子力利用率の低下が本業の利益を圧迫しました。一方、持分法適用関連会社きんでんの株式売却に伴う特別利益約1,051億円を計上したことで、親会社株主帰属の中間純利益の減少率は同21.4%減の1,829億円にとどまりました。通期業績予想および年間80円の配当予想は据え置いています。
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大手電力の関西電力(9503)は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、日本基準・連結)の決算を発表しました。売上高は前年同期比11.3%増の2兆2,351億円(2兆2,351億600万円)と増収を確保したものの、営業費用が前年同期比で約4,203億円増加したことが響き、営業利益は同69.9%減の832億円(832億2,500万円)、経常利益は同64.6%減の1,115億円(1,115億5,000万円)と大幅な減益となりました。売上高営業利益率は前年同期の約13.8%から約3.7%へと約10.0ポイント低下しました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は同21.4%減の1,829億円(1,829億9,500万円)を確保しました。
連結経常利益が約2,034億円減少した最大の要因は、中核を担うエネルギー事業の大幅な採算悪化です。同事業の売上高は前年同期比8.5%増の1兆8,962億円(外部顧客向けは同8.1%増の1兆7,667億円)と伸長したものの、経常利益は前年同期の2,413億円から522億円へと約1,891億円激減しました。
エネルギー事業の利益押し下げ要因としては、為替・燃料価格等の変動影響が約1,370億円の減益要因となったほか、原子力利用率の低下が約350億円の減益要因となりました。為替レートが前年同期の1ドル=146円から160円へと円安に推移し、全日本原油CIF価格が1バレル73.7ドルから108.1ドルへと上昇したことで燃料費等が増加しました。さらに原子力利用率が定期検査時期の違いなどから前年同期の77.2%から62.7%へと14.5ポイント低下したことが発電コストを押し上げました(美浜3号機で約150億円、高浜1~4号機で約110億円、大飯3・4号機で約90億円の減益影響)。
経常利益が6割超の減益となったのに対し、最終純利益の減少率が2割強にとどまった背景には、大型の資産売却益があります。同社および完全子会社の関電不動産開発が、持分法適用関連会社である株式会社きんでんの自己株式公開買付けに応募し、保有株式の一部を売却したことに伴い、関係会社株式売却益として1,050億7,700万円(約1,051億円)の特別利益を計上しました。この一時的な売却益が中間純損益を大きく下支えしました。
販売面では、エネルギー事業における関西電力の総販売電力量が前年同期比7.4%増の819億kWhに拡大しました。小売販売電力量は電灯が同6.3%減の143億kWhとなったものの、電力が同5.6%増の458億kWhとなり、全体で同2.5%増の601億kWhとなりました。卸電力取引所向けなどの他社販売電力量も同23.7%増の218億kWhと大幅に伸長しました。なお、関西エリア全体の電力需要は前年同期の676億kWhから654億kWhへと約23億kWh減少しています。
周辺セグメントの経常損益では、送配電事業がエリア需要減少に伴う基準接続供給収益の減少などにより前年同期比約146億円減の165億円、情報通信事業が通信設備使用料の増加などにより同約39億円減の216億円と減益でした。一方、不動産事業は住宅分譲事業の引渡戸数増加などを背景に、同約123億円増の244億円と増益を達成しました。
2027年3月期の通期連結業績予想について、同社は期初公表の予想を据え置きました。売上高は前期比10.9%増の4兆5,000億円、営業利益は同42.9%減の2,500億円、経常利益は同44.1%減の2,900億円(期ずれ調整後では3,410億円)、親会社株主帰属の当期純利益は同18.4%減の3,100億円を見込んでいます。通期経常利益予想から中間期実績(1,115億円)を差し引いた下期単独の経常利益は、単純計算で約1,785億円の黒字水準となる見通しです。配当予想についても、中間配当40円を決定し、期末配当予想40円と合わせた年間80円(前期実績比5円増配)を維持しました。
2026年9月末の財政状態は、総資産が前期末比1,066億円増の9兆9,613億円、純資産が同1,602億円増の3兆6,629億円となり、自己資本比率は中間純利益の蓄積などにより前期末から1.2ポイント改善して36.3%となりました。有利子負債残高は同529億円増の4兆3,195億円となっています。下期に向けては、原油価格や為替の動向に加え、原子力プラントの安全かつ安定的な稼働水準の維持が収益確保の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













