今回のニュースのポイント
富士通が2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比3.8%増の1兆6,263億円、本業の実質的な収益力を示す調整後営業利益は同6.1%減の1,139億円となりました。国内IT投資を背景にサービス事業や「Fujitsu Uvance」は大幅伸長したものの、ハードウェアの部材費高騰やパソコン更新需要の反動、先端技術への先行投資拡大が重荷となりました。通期の業績予想は据え置いています。
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IT大手の富士通は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、IFRS・連結)の決算を発表しました。売上収益は前年同期比3.8%増の1兆6,263億円(1兆6,263億5,800万円)でした。一過性の事業再編費用などを除いた本業の実質的な利益を示す「調整後営業利益」は、前年同期比6.1%減の1,139億円(1,139億6,100万円)にとどまり、調整後営業利益率は前年同期の7.7%から0.7ポイント低下して7.0%となりました。なお、一過性損益を含むIFRSベースの連結営業利益は、構造改革費用の減少などにより同2.1%増の1,076億円(1,076億200万円)と増益を確保しています。
全社の調整後営業利益が減少した一方で、主力のサービスソリューション事業は国内の活発なIT投資を追い風に堅調に推移しました。同事業における国内サービス売上収益は前年同期比6.8%増の8,495億円へ拡大しました。富士通単体の国内サービス受注高は前年同期比9%増(第1四半期10%増、第2四半期7%増)と高水準を維持しています。
国内受注の動向を業種別に見ると、基幹システムの刷新やDX投資が活発な製造業向けが前年同期比11%増、ミッションクリティカル・ナショナルセキュリティ関連が同43%増と大幅に伸長しました。パブリック全体でも同10%増と好調だった一方、金融向けは同5%減となるなど、分野による濃淡も見られました。
全社戦略の柱である重点事業「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」は高成長を継続しています。上期のUvance売上収益は前年同期比約27%増の3,934億円、受注高は同22%増の3,887億円に達しました。サービスソリューション売上収益に占めるUvanceの構成比は、前年同期の29%から35%へと6ポイント上昇し、収益基盤としての存在感を一段と高めています。
企業の基幹システムを刷新するモダナイゼーション需要も極めて旺盛です。上期のモダナイゼーション関連の受注高は前年同期比56%増の2,399億円と急拡大し、売上収益も同20%増の1,941億円(うちサービスソリューション分は1,126億円)に達しました。なお、モダナイゼーションの売上にはUvanceに分類される案件も一部含まれています。
これに伴い、サービスソリューション全体の調整後営業利益は前年同期比11.8%増の1,337億円となり、利益率は0.6ポイント改善して11.8%に達しました。増収効果(プラス179億円)に加え、生成AIやAIエージェントを活用した開発プロセスの自動化・標準化を含む採算性改善(プラス69億円)が進んだことが利益を押し上げました。
サービス事業が大幅増益を達成したにもかかわらず全社の調整後営業利益が減少した主因は、ハードウェア分野の採算悪化と先行投資の負担です。ハードウェアソリューションは売上収益こそ前年同期比5.7%増の4,491億円となったものの、部材コストの高騰が響き、調整後営業利益は同64.0%減の45億円へ激減しました。また、パソコン関連のユビキタスソリューションは、前年に発生したWindows 10サポート終了に伴う更新需要の反動減を受け、売上収益が同20.6%減の898億円、調整後営業利益が同38.3%減の134億円と落ち込みました。さらに、消去・全社費用では次世代CPU「MONAKA」やフィジカルAI、量子コンピューティングなどの先端技術開発投資を拡大したことで、調整後営業損益がマイナス377億円(前年同期はマイナス325億円)へと負担が増加しました。
純損益の面では、親会社の所有者に帰属する中間利益が前年同期比68.5%減の約826億円(825億8,100万円)と大幅な減益となりました。ただし、これは前年同期に新光電気工業や富士通ゼネラルの事業売却に伴う一過性利益(非継続事業からの中間利益1,463億円など)を多額に計上していたことの反動によるものです。これらの一過性要因を除いた「調整後中間利益」は878億円(878億7,600万円)となり、前年同期比でほぼ横ばい(0.0%減)を維持しています。
2027年3月期の通期連結業績予想について、同社は期初公表の数値を据え置きました。売上収益は前期比0.2%増の3兆5,100億円、IFRS営業利益は同19.1%増の4,150億円、調整後営業利益は同8.8%増の4,250億円、親会社所有者帰属の当期利益は同31.0%減の3,100億円(調整後当期利益は同7.3%増の3,200億円)を見込んでいます。普通株式の年間配当予想も前期実績(50円)から5円増配となる1株あたり55円(中間配当25円、期末配当予想30円)を維持しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













