Jパワー、営業益52%増も経常益15%減 米火力売却益の反動、2040年ROE10%目標を検討

2026年10月30日 19:49

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Jパワーの2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比21.0%増の6,914億円、営業利益が同52.4%増の816億円と大幅に増加した一方、前年に計上した米国ガス火力発電事業の権益売却益が剥落したことなどにより、経常利益は同14.8%減の820億円となりました。通期業績予想は据え置かれています。また、同日公表した次期経営計画の検討状況では、大間原発運転開始時ROE9%程度、2040年ROE10%程度や配当下限105円の方向性を提示しました。

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 電源開発(Jパワー)が2026年10月30日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算(日本基準)は、売上高が前年同期比21.0%増の6,914億54百万円、営業利益が同52.4%増の816億97百万円と大幅な増収増益となった一方、経常利益は同14.8%減の820億71百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同12.5%減の551億75百万円でした。国内電力販売価格の上昇や設備保全コストの抑制により営業段階の収益力は大きく高まったものの、前年同期に計上した営業外の大型売却益が剥落したことで経常減益となりました。通期業績予想は据え置いています。

 営業増益と経常減益が併存した主因は、本業の改善と前年の営業外利益の反動という損益構造の落差にあります。同社の経常利益分析によると、海外事業全体で前年同期比285億円の減益要因となりました。この中には、前年同期に持分法投資利益として計上した米国ガス火力発電事業の権益売却益の剥落(505億円の減益要因)が含まれています。加えて、タイの連結プロジェクトにおける米ドル建て債務の為替評価影響が80億円のマイナスに作用しました。一方、国内発電事業では電力販売価格の上昇により火力・その他で65億円、再エネで55億円の増益要因となったほか、設備保全コスト減少(70億円改善)など諸費用の圧縮が110億円押し上げ、国内発電事業の収益改善が経常利益を下支えしました。

 セグメント別(外部顧客向け売上高・内部消去前経常利益)では、主力の発電事業が売上高4,704億円(前年同期比14.9%増)、経常利益482億円(同93.7%増)とほぼ倍増しました。国内販売電力量全体は同2.9%減の317億kWhにとどまったものの、販売価格の上昇や火力利用率の向上(62%から66%へ上昇)が寄与しました。一方、海外事業はタイでの販売電力量増加などにより売上高こそ同53.7%増の1,684億円と急伸したものの、売却益剥落により経常利益は同56.6%減の262億円へ落ち込みました。送変電事業の経常利益は同56.2%減の21億円でした。

 通期の連結業績予想は2026年5月公表値から据え置かれ、売上高1兆3,800億円(前期比16.7%増)、営業利益1,250億円(同23.8%増)、経常利益1,250億円(同21.2%減)、親会社株主帰属当期純利益810億円(同38.4%増)を見込みます。通期経常利益予想から中間期実績を差し引くと、下期の経常利益は約429億円となる計算です。これは公表値からの逆算値であり会社が公式に示した予想ではありません。年間配当予想も1株当たり105円(中間50円決定、期末予想55円、前期比5円増配)を据え置いています。

 同日、同社は「次期経営計画の検討状況」を公表しました。2027年5月の本計画公表に向けた骨子として、2040年を見据えた長期目標を提示しています。資本効率の向上を重視し、大間原子力発電所の運転開始時点でROE9%程度、2040年にROE10%程度を目指す方向性を示しました。なお、今回の検討資料では、大間原発の具体的な運転開始時期は示されていません。株主還元策でも、将来の配当方針案として配当下限105円、総還元性向30%を基本とした還元拡大を検討しています。大間原発などの成長投資が本格寄与する段階では、さらなる還元拡大を目指す考えです。

 事業戦略では、脱炭素化を前提としつつ、エネルギー安全保障や電力安定供給の観点から経済性を確保できる範囲で既存の石炭火力を適切に活用する方針を示しました。2050年カーボンニュートラル目標を堅持しながら、足元の供給責任と中長期の脱炭素移行を両立させる現実的なアプローチをとります。さらに、洋上風力やガス火力の開発に加え、海外での再エネ開発や資産回転、受託型のアセットライト事業を拡大し、成長性と資本効率の両立を図ります。財務健全性の面では、中長期的に自己資本比率30%程度以上を確保する方向性も示しています。

 国内発電事業の収益改善が進む一方、海外の売却益反動で経常減益となった今回の中間決算。同日公表した次期経営計画の検討状況では、大間原発などへの成長投資と、ROE向上、株主還元拡大を両立させる方向性を示しました。資産保有に依存せず、資産回転や受託型事業により資本効率をいかに高められるかが今後の重要課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)