芝浦メカトロニクス、上期受注92%増の791億円 生成AI向け装置好調、通期営業益175億円に上方修正

2026年11月05日 15:16

今回のニュースのポイント

芝浦メカトロニクスは2026年11月5日、2027年3月期中間期の受注高が前年同期比92.3%増の791億円に達したと発表しました。売上高は432億円(同2.2%増)となった一方、前工程の売上計上ずれや減価償却費増で営業利益は61億円(同18.9%減)の減益でした。生成AI用GPU向け先端パッケージ装置の受注が急増しており、足元の好調な投資動向を反映して通期営業利益予想を175億円へ上方修正し、年間配当予想も67円に引き上げました。

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 芝浦メカトロニクス株式会社は2026年11月5日、2027年3月期第2四半期(中間期・4~9月期)連結決算を発表しました。当中間期の全社受注高は前年同期比92.3%増の791億2,400万円(概数791億円)に急増しました。生成AI用GPUの需要拡大を背景に、先端パッケージ向け半導体製造装置の受注が全体を大きく牽引しました。これに伴い同社は、半導体分野における顧客の旺盛な投資動向を踏まえ、2027年3月期通期の連結営業利益予想を従来の160億円から175億円へ上方修正しました。一方で、上期実績は半導体前工程の売上計上時期変更や成長投資に伴う減価償却費増加が響き、営業利益が前年同期比18.9%減となるなど、足元の利益減少と急激な受注拡大が同時に進行する決算となりました。

 中間期の連結業績実績をみますと、売上高は前年同期比2.2%増の432億1,600万円(概数432億円)と増収を確保した一方、本業の儲けを示す営業利益は同18.9%減の61億4,400万円(同61億円)となりました。経常利益は同15.5%減の62億2,500万円(同62億円)、親会社株主に帰属する中間純利益は同19.6%減の42億7,500万円(同43億円)と増収減益でした。売上高営業利益率(ROS)は前年同期の17.9%から14.2%へと低下しています。減益の主因としては、半導体前工程において顧客の投資計画見直し等に伴い一部売上の計上が第3四半期以降へ移ったことや、前工程を中心とする積極的な成長投資に伴って減価償却費が増加したことが挙げられています。

 受注急増の主役となったのは、半導体後工程事業を含むメカトロニクスシステム部門です。同部門の中間期受注高は前年同期比195.4%増の456億700万円(前年同期は154億円)と急増しました。AI用GPU向けの先端パッケージ向け装置の受注が好調に推移したことが、部門全体の受注拡大をけん引しました。同部門の売上高も前年同期比12.0%増の194億1,100万円、セグメント利益は同15.0%増の54億600万円と増収増益を達成しています。なお、同部門内では真空応用装置で電子部品向け受注が増加した一方、FPD後工程は市況低迷の影響で低調であり、部門全体の受注急増は生成AI関連の先端パッケージ向け装置が主導した構図です。

 一方、半導体前工程を担うファインメカトロニクス部門では、売上減少と受注拡大が併存しました。同部門の売上高は前年同期比2.9%減の219億6,800万円、セグメント利益は同54.9%減の14億2,000万円と減益を記録しました。顧客の投資スケジュール調整で一部売上が下期以降へシフトしたことや、成長投資に伴う減価償却費増加が利益を圧迫しました。しかしその一方で、同部門の受注高は前年同期比35.2%増の317億円(前年同期は235億円)と堅調な伸びを示しました。FPD前工程が市況悪化で落ち込んだ反面、半導体前工程のシリコンウェーハ向け装置やフォトマスク向け装置の受注が好調に推移しました。

 上期の好調な受注動向と足元の顧客投資を踏まえ、同社は2027年3月期通期の連結業績予想を上方修正しました。売上高予想を従来の990億円から1,050億円(前期比19.3%増)へ60億円引き上げ、営業利益予想は160億円から175億円(同14.7%増、修正率9.4%増)へ15億円増額しました。経常利益予想は157億円から174億円(同16.8%増)へ、親会社株主に帰属する当期純利益予想は119億円から125億円(同11.9%増)へ上方修正しています。修正後の通期営業利益率は16.7%を見込みます。業績予想上方修正に伴い、期末配当予想を従来の1株当たり64円から3円増額の67円に引き上げました。中間配当は0円で、年間配当予想は67円となります。同社はおおむね35%の連結配当性向を目途としています。

 受注の拡大に伴い、前受金が増加し、キャッシュフローも改善しました。2026年9月末時点の全社受注残高は842億円に達しました。当中間期のキャッシュフローにおきましては、顧客からの受注急増に伴って前受金が前期末比211億1,000万円増加したことを主因に、営業活動によるキャッシュフローが327億7,800万円の資金増加(前年同期は10億4,700万円の減少)となりました。有形固定資産の取得等による投資活動によるキャッシュフロー33億8,500万円の減少を差し引いたフリー・キャッシュフローは293億9,300万円の黒字(前年同期は41億7,800万円の赤字)へ急改善し、中間期末の現金及び現金同等物残高は467億2,900万円となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)