今回のニュースのポイント
京セラが2026年11月2日に発表した2027年3月期上期決算は、売上高が前年同期比8.8%増の1兆783億円、営業利益が56.4%増の656億円となりました。AIデータセンター向けの半導体パッケージやコンデンサが好調でした。通期売上高予想は400億円引き上げ2兆1,200億円としましたが、営業利益予想は1,600億円で据え置きました。上期の一時損失をケミカル事業譲渡益等で補う見通しです。長崎諫早工場では2027年春の本格生産開始を計画しています。
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京セラが2026年11月2日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算(IFRS)は、売上高が前年同期比8.8%増の1兆783億37百万円、営業利益が同56.4%増の656億9百万円となりました。AIデータセンター向け部品の需要拡大が業績を力強く牽引しています。同社は下期も需要が堅調に推移すると見込み、通期の連結売上高予想を従来の2兆800億円から2兆1,200億円へと400億円上方修正しました。
中間期の利益面は、税引前利益が前年同期比36.9%増の930億20百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益が同32.2%増の734億30百万円でした。売上高営業利益率は前年同期の4.2%から6.1%へと改善しています。全体の売上高拡大に加え、AIデータセンター向けをはじめとする高付加価値製品の構成比が高まったことが、収益性の向上に寄与しました。
セグメント別では、AI需要を受けた2事業が伸長しました。コアコンポーネント事業は、半導体パッケージや半導体製造装置向けファインセラミック部品の販売増により、売上高が前年同期比19.7%増の3,681億73百万円、事業利益が同68.1%増の504億73百万円となりました。電子部品事業も、小型高容量MLCCやタンタルコンデンサが伸び、売上高は同23.2%増の2,152億82百万円、事業利益は195億98百万円(前年同期は17百万円)へ急拡大しました。なお、電子部品の利益改善には不動産売却益や前年同期の事業譲渡損失の反動といった一時要因も含まれています。
一方、ソリューション事業は売上高が前年同期比2.9%減の5,037億84百万円となったものの、事業利益は同50.9%増の569億99百万円と増益を確保しました。減収の主因は、2026年1月に完了した米国機械工具子会社の譲渡に伴う売上減です。情報機器や機械工具などの主要な既存事業は増収基調を維持しており、各事業における収益性改善の取り組みが増益につながりました。
上期には事業の見直しなどに伴う一時損失も計上されました。米国のGaN(窒化ガリウム)デバイス事業でのれん等の減損損失約295億円、エネルギー関連製品に係る引当金約76億円の合計約371億円を計上したものの、主要事業の収益拡大がこれを上回りました。また、前年同期比で円安が進行したことで、為替レートの変動が邦貨換算後の売上高を約630億円、税引前利益を約120億円押し上げた点も業績を支えました。
通期業績予想では、売上高を従来予想比400億円増の2兆1,200億円へ引き上げた一方、営業利益1,600億円などの各利益予想は据え置きました。第3四半期以降もAI関連需要は堅調と見込むものの、各事業の増益に加え、ケミカル事業の譲渡に伴う一時利益約150億円を計上することで、上期の一時損失の影響を補う見通しとしています。なお、1株当たり当期利益(EPS)予想の上昇は期中平均株式数の変動によるもので、当期利益総額の予想は据え置かれています。
旺盛な需要に対応する国内生産基盤の整備も進んでいます。決算説明資料で示された長崎諫早工場では、2026年9月に第1工場が竣工しました。2028年3月期までに累計約680億円を投じる計画に沿って設備の導入を進めており、2027年春からの本格生産開始を予定しています。この投資は今回新たに決定されたものではなく、半導体製造装置向け部材などの供給能力を高める拠点として生産設備の導入が進められています。
今回の決算は、AIデータセンターの拡大が半導体パッケージやMLCC、製造装置用部材など幅広い製品群の収益を押し上げている実態を示しました。さらに、長崎諫早工場の整備を通じて国内の供給基盤強化も進んでいます。その一方で、GaN事業の減損損失やケミカル事業の譲渡益など、事業再編に伴う一時要因が通期収益を左右しており、旺盛な需要の取り込みと構造改革が同時に進行している点が今回の決算の特徴となっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













