今回のニュースのポイント
レーザーテックの2027年6月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比25.5%減の403億円、営業利益が同41.0%減の157億円となりました。半導体装置の減収があったものの売上進捗は概ね想定通りです。AI投資拡大を背景に通期の年間受注見通しを4,000億~5,000億円へ引き上げました。MATRICS性能改善に伴う今期利益率への影響を見込む一方、通期の業績予想は据え置いています。
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レーザーテックが2026年10月30日に発表した2027年6月期第1四半期決算(日本基準)は、売上高が前年同期比25.5%減の403億69百万円、営業利益が同41.0%減の157億69百万円と減収減益となりました。経常利益は同45.8%減の147億11百万円、親会社株主帰属四半期純利益は同43.7%減の107億34百万円でした。一方、AIデータセンター投資に伴う先端半導体需要の拡大を背景に、通期の受注見通しを期初想定の3,000億~4,000億円から4,000億~5,000億円へ引き上げました。足元の業績は減益となったものの、通期の連結業績予想は据え置いています。
第1四半期は半導体関連装置の売上高が大きく減少し、全社の減収減益につながりました。品目別売上高では、半導体関連装置が前年同期比42.9%減の238億49百万円となった一方、保守等のサービス売上高は同31.2%増の160億11百万円へ拡大しました。会社側は売上高について「概ね当初の想定通り進捗」と説明しており、前年同期比の減収だけで足元の需要減退を判断することはできません。四半期の売上総利益率は59.5%、営業利益率は前年同期の49.3%から39.1%へと10.2ポイント低下しました。
受注見通しを4,000億~5,000億円へ引き上げた背景には、先端半導体分野での設備投資の積極化があります。AI需要の急増を背景に、デバイスメーカーによる先端ロジックやメモリーへの投資が加速しています。1.4ナノメートルノード相当の技術開発が進むほか、各社でHigh-NA EUV露光機の導入計画が具体化しています。これに伴い、EUVやDUV向けマスク関連装置の需要が拡大しており、同社は先端ロジックファブ向け「ACTIS A200HiT」やマスクショップ向け「A300」、さらに「MATRICS」などを受注見通し引き上げの主因として挙げています。
一方、収益面では今期の採算性に影響する要因も明らかになりました。マスク欠陥検査装置「MATRICS」の性能改善を実施しており、それに伴い採算性の低い装置が複数台、今期中に売上計上される予定です。これにより2027年6月期の売上総利益率に影響が生じる見込みです。ただし、会社側は来期業績への影響はなく、通期業績予想も変更しないと説明しています。通期の想定営業利益率は前期実績の45.7%から43.1%へ低下する計画であり、高水準の受注獲得と並行して製品採算性を見極める必要があります。
同社は通期業績予想について、売上高2,900億円(前期比25.8%増)、営業利益1,250億円(同18.8%増)、純利益900億円(同16.2%増)とする期初予想を据え置きました。研究開発費は第1四半期に前年同期比56.2%増の47億98百万円(通期計画200億円)となりました。受注見通しは引き上げられたものの、受注が直ちに同じ年度の売上高に結び付くとは限りません。同社は2026年8月6日に公表した通期業績予想を据え置いています。年間配当予想も1株当たり351円(中間140円、期末211円)を維持しています。
営業キャッシュフローは前受金の増加を主因に391億2百万円の収入となり、前年同期(59億37百万円)から大幅に増加しました。前受金が前期末比427億90百万円増の870億75百万円へ急増した一方、仕掛品も1,380億50百万円へ積み上がっています。レーザーテックの決算は、足元の装置売上減少と先端半導体向け受注拡大が並存する局面を示しています。受注見通しを引き上げる一方、通期業績予想は維持しました。受注が売上高に転換される時期に加え、MATRICSの性能改善に伴う採算性への影響が、今期の業績を読み解く重要な論点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













