今回のニュースのポイント
丸紅は2026年11月4日、2027年3月期の通期連結純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)予想を従来の5,800億円から6,300億円へ500億円上方修正しました。中間期(4~9月期)の純利益が前年同期比10.6%増の3,380億円と好調で、チリ銅事業や石油化学品取引などが収益を牽引しました。これに伴い、年間配当予想を1株当たり115円から125円へ増額し、中期経営戦略の利益目標を1年前倒しで達成する見込みを示しました。
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大手総合商社の丸紅は2026年11月4日、2027年3月期(2026年度)の通期連結純利益予想(親会社の所有者に帰属する当期利益)を従来の5,800億円から6,300億円へ上方修正すると発表しました。従来予想からの増額幅は500億円(8.6%増)となり、前期実績である5,439億円に対しても15.8%の増益を見込む水準となります。2026年4~9月期の中間連結業績を踏まえ、石油化学品取引やチリ銅事業の増益見通しを主因として、通期業績予想を見直しました。今回の修正により、同社が掲げる中期経営戦略「GC2027」の最終年度定量目標である連結純利益6,200億円以上を1年前倒しで達成する見通しとなりました。
同日発表された2026年4~9月期の中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)は、増収増益で着地しました。売上高に相当する収益は前年同期比23.2%増の5兆1,801億円、税引前利益は同14.3%増の4,178億円、中間利益は同11.7%増の3,483億円となりました。そのうち親会社の所有者に帰属する中間利益(純利益)は前年同期比10.6%増の3,380億円となり、前年同期実績の3,055億円から325億円増加しました。自主表示している営業利益も売上総利益の拡大を主因に同61.9%増の2,047億円に達しています。上期実績の修正後通期予想(6,300億円)に対する進捗率は約53.7%(従来予想5,800億円に対しては58%)となっており、高水準の利益進捗を示しました。
中間期のセグメント別動向では、資源分野と非資源分野がともに堅調に推移しました。金属部門の中間純利益は前年同期比372億円増の894億円となり、商品価格の上昇を背景にチリ銅事業や豪州原料炭事業、アルミ事業が寄与しました。エネルギー・化学品部門も同380億円増の418億円と大幅に回復し、石油化学品取引の好調に加え、前年同期に計上した石油・ガス開発事業の評価損の反動がプラスに働きました。さらに電力・インフラサービス部門が海外電力IPP事業投資の売却益などにより同211億円増の582億円となった一方、金融・リース・不動産部門は前年同期の不動産事業統合に伴う評価益や北米貨車リース売却益の反動で同830億円減の427億円となりました。なお、一過性要因を控除した会社独自の「実態純利益」は同45%増の3,180億円(資源分野960億円、非資源分野2,100億円など)となりました。
通期連結純利益予想の上方修正においては、金属部門およびエネルギー・化学品部門の伸長が主要因に挙げられます。セグメント別の通期予想では、金属部門を従来予想から220億円引き上げて1,750億円へ、エネルギー・化学品部門を250億円引き上げて670億円へと見直しました。丸紅は、チリ銅事業と石油化学品取引の増益を、通期利益予想を引き上げた主な要因として説明しています。このほか、電力・インフラサービス部門を130億円引き上げて840億円に、金融・リース・不動産部門を80億円引き上げて840億円に増額した一方、食料・アグリ部門とライフスタイル部門はそれぞれ30億円下方修正するなど、事業環境に応じた選別的な見直しが行われています。
好調な業績予想の引き上げに伴い、株主還元も拡充されます。同社は2027年3月期の1株当たり年間配当予想を、従来の115円から10円増額して125円(中間62円50銭、期末予想62円50銭)へ上方修正しました。中間配当金は従来予想の57円50銭から引き上げられ、1株当たり62円50銭で正式決定(効力発生日:2026年12月1日)されました。前期実績の107円50銭に対しても17円50銭の増配となります。同社は「GC2027」期間中に利益成長に合わせた累進配当を掲げており、今回の修正もその方針に沿った措置です。また、機動的な資本政策の一環として2026年8月3日に決議した上限1,000億円(4,000万株)の自己株式取得枠についても取得が進められており、配当と合わせた株主還元姿勢が明確に示されています。
今回の決算発表は、成長投資の利益貢献と既存事業の収益改善が結実し、中期経営戦略の利益目標を前倒しで視野に捉えた点に大きな特徴があります。非資源分野での既存事業の収益改善や成長投資の利益貢献に加え、銅や原料炭、アルミなどの資源事業では商品市況の上昇が利益を押し上げました。もっとも、修正後の通期純利益予想6,300億円や年間配当予想125円はあくまで今後の業績進展を前提とした見通しであり、確定した数値ではありません。今後の世界景気や商品市況の変動、主要通貨の為替レート推移、さらには下半期における資産入替の進捗などが業績を左右する要因となります。通期計画の確実な達成に向け、下期の事業運営と資本効率向上の行方が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













