今回のニュースのポイント
株式会社ニコンが2026年11月5日に発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比6.9%増の3,346億5,800万円、営業利益が89億400万円となり前年同期の赤字から黒字転換しました。米国関税還付64億円や精機事業の増益が寄与した一方、映像事業は中国減速で減収減益でした。同社は10月30日に通期売上収益予想を100億円下方修正し、営業利益予想を55億円引き上げており、11月5日時点でこの予想を据え置きました。
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株式会社ニコンは2026年11月5日、2027年3月期中間連結決算(IFRS)を発表しました。当中間期の売上収益は前年同期比6.9%増の3,346億5,800万円となり、営業利益は89億400万円と、前年同期の48億2,900万円の損失から黒字転換を達成しました。税引前利益は126億8,500万円(前年同期は52億6,500万円の損失)、親会社所有者帰属の中間利益は同99.0%増の106億5,800万円でした。同社は決算発表前の2026年10月30日に通期業績予想を修正し、売上収益予想を従来の7,320億円から7,220億円へと100億円引き下げた一方、営業利益予想は110億円から165億円へ55億円上方修正しました。主力の映像事業が中国市場の減速で苦戦したものの、精機事業の伸長や米国関税の還付などが寄与し、中間期の営業黒字回復を果たしました。
営業損益が前年同期の赤字から黒字へ改善した背景には、複数の収益押し上げ要因があります。当中間期の実績には、米国関税の還付金64億円(うち第2四半期は24億円)が計上されており、利益改善の一因となりました。また、売上収益の拡大に伴う増益効果に加え、円安進行に伴う為替効果、デジタルマニュファクチャリング事業の無形資産償却費の減少、前年度に実施した構造改革の効果が発現しました。さらに、精機事業のサービス売上の上振れや、全社的な経費削減、一部支出の繰り延べなども寄与しました。これらの要因により、営業損益の前年同期比での改善額は137億3,300万円となり、売上高営業利益率は前年同期のマイナス1.5%からプラス2.7%へと4.2ポイント改善しました。
一方、同社の基幹事業である映像事業におきましては、減収減益の推移となりました。映像事業の中間期の売上収益は前年同期比10.9%減の約1,293億円、営業利益は同46.5%減の約82億円となり、営業利益率は前年同期の10.6%から6.4%へと4.2ポイント低下しました。中国市場を中心とするカメラ需要の減退を主因に、レンズ交換式デジタルカメラの販売数量は前年同期の48万台から36万台へ、交換レンズは67万本から53万本へと減少しました。映像事業でも米国関税還付の恩恵や為替の円安効果はあったものの、販売台数減少に伴う減収影響や、メモリーなどの部材価格高騰が利益を圧迫し、減益を余儀なくされました。
全社の黒字転換を支えたのは、精機事業など産業向け事業の回復です。精機事業の売上収益は前年同期比29.7%増の約906億円、営業利益は同136.9%増の約72億円へと急拡大しました。FPD露光装置が17台(前年同期15台)と増加したほか、半導体向けArFドライ露光装置の販売増やサービス売上の伸長が増収増益をもたらしました。ヘルスケア事業も米国研究需要の回復で売上収益約570億円(同11.4%増)、営業利益約39億円を確保しました。インダストリー事業は半導体後工程向け光学部品の好調で売上収益約383億円(同9.4%増)、営業利益約75億円(同52.7%増)と伸長しました。デジタルマニュファクチャリング事業も大型金属3Dプリンターの販売増で売上収益約174億円(同77.2%増)、営業損失約22億円(前年同期は89億円の損失)へ赤字が縮小しました。
こうした事業ごとの推移を踏まえ、同社は2026年10月30日に通期連結業績予想を修正しました。通期の売上収益予想は、映像事業の下期販売計画見直しを反映し、従来予想の7,320億円から7,220億円(前期比6.6%増)へと100億円引き下げました。その一方、営業利益予想は、上期実績の好調を踏まえて精機事業、ヘルスケア事業、インダストリー事業の見通しを引き上げたことから、従来の110億円から165億円へと55億円上方修正しました。あわせて、税引前利益予想を145億円から215億円へ、親会社所有者帰属の当期利益予想を100億円から160億円へ引き上げました。売上収益を下方修正する一方、利益予想を引き上げる修正となりました。
通期見通しでは、カメラ市場動向への慎重な見方も示されています。同社はレンズ交換式デジタルカメラの通期市場規模見通しを従来の670万台から630万台へ引き下げ、自社の通期販売計画も85万台から80万台へと下方修正しました。交換レンズの市場見通しも1,000万本から950万本へ、自社計画を125万本から120万本へ見直しています。株主還元については、中間配当を1株当たり10円とし、年間配当予想は期末10円を合わせた20円(前期実績は40円)を据え置いています。そして、2026年11月5日に公表された中間決算短信におきましては、10月30日に修正された通期業績予想がそのまま据え置かれています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













