今回のニュースのポイント
三菱ケミカルグループは2026年11月5日、2027年3月期通期のコア営業利益予想を従来の3,050億円から3,400億円へ上方修正しました。2026年4~9月期は売上収益が2兆371億円、営業利益が前年同期比130.9%増の1,997億円となった一方、親会社帰属中間利益は同18.1%減となりました。半導体材料や産業ガスが好調に推移しました。併せて、AIやデータセンター需要を背景に炭素材事業の継続を決定しました。
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三菱ケミカルグループ株式会社は2026年11月5日、国際財務報告基準(IFRS)に基づく2027年3月期第2四半期(中間期・4~9月期)連結決算を発表しました。売上収益は前年同期比13.2%増の2兆370億9,400万円(概数2兆371億円)、営業利益は同130.9%増の1,996億7,700万円(同1,997億円)と前年同期の約2.3倍に達し大幅増益でした。コア営業利益は同60.9%増の2,028億4,800万円(同2,028億円)、税引前中間利益は同165.4%増の1,823億9,800万円(同1,824億円)へ拡大しました。一方、親会社の所有者に帰属する中間利益は同18.1%減の901億7,300万円(同902億円)となり、営業大幅増益と最終減益が併存しました。
営業利益が約2.3倍へ拡大した一方で最終利益が減益となった主因は、前年同期の一時的損益の反動です。前年同期には旧田辺三菱製薬の譲渡益を含む非継続事業からの中間利益949億円が計上されていました。今回の中間期には非継続事業からの利益計上がないため、反動減が生じました。継続事業からの中間利益は前年同期の476億円から1,370億円へ大幅に増加しました。また、非経常項目が前年同期の396億円のマイナスから今回は31億円のマイナスへ365億円改善したことも、営業利益の伸びを後押ししました。
セグメント別では、高機能材料と産業ガスが収益を牽引しました。スペシャリティマテリアルズのコア営業利益は前年同期比307億円増の704億円(売上収益6,535億円)でした。半導体製造装置向け高機能エンプラの需要増や、ロボタクシー向け炭素繊維部材の販売増、MLCC向けフィルムの増販が貢献しました。合成石英など半導体製品や精密洗浄サービスの需要拡大、コスト削減も寄与しました。また、産業ガス事業も価格マネジメント推進や豪州・NZ買収事業の連結効果、DXによるコスト削減などにより、コア営業利益が同147億円増の1,077億円(売上収益7,332億円)と伸長しました。
素材関連事業では、市況変動と在庫評価損益の影響が表れました。ベーシックマテリアルズのコア営業損益は前年同期の86億円の赤字から141億円の黒字へ転換しました。ただし基礎化学品では定修規模拡大や海外安価品の流入、中東情勢による販売数量減が生じており、黒字転換には、ナフサなどの原料価格上昇に伴う在庫評価損益の改善が大きく寄与しました。なお、ポリマーコンパウンズを含む会社資料上の在庫評価損益の合計は、前年同期の113億円の損失から391億円の利益へ504億円改善しています。一方、MMA&デリバティブズは中東情勢による生産・供給体制への影響で販売数量が減少したものの、市況上昇などによりコア営業利益は前年同期比53億円増の90億円でした。全社コア営業利益増益額767億円の要因は、売買差+265億円、数量差▲10億円、コスト削減+281億円、その他+231億円でした。
上期実績を踏まえ、三菱ケミカルグループは2027年3月期通期の連結業績予想を上方修正しました。売上収益予想を従来の3兆8,000億円から4兆600億円(前期比9.6%増)へ、コア営業利益予想を3,050億円から3,400億円(同51.1%増)へ350億円引き上げました。営業利益予想も3,000億円から3,280億円(同990.5%増)へ、親会社の所有者に帰属する当期利益予想も1,270億円から1,450億円へ180億円引き上げました。上方修正は期初予想を280億円上回る見通しのスペシャリティマテリアルズ(修正後1,180億円)や、在庫評価益を織り込むベーシックマテリアルズ(同160億円増の110億円)が主導しています。下期は熊本地震の影響や需要増の反動を想定しています。
決算発表に合わせ、同社は従来撤退を予定していた炭素材事業の継続方針を決定しました。AIサーバーやデータセンター向けの熱マネジメント用途等で需要が急拡大しているピッチ系炭素繊維について、目標性能の達成には自社製原料(ニードルコークス、ピッチコークス)の設備維持が不可欠と判断したためです。香川事業所の設備を改修して生産・販売を継続し、改修工事のため2027年度下期に一時生産休止後、2028年度下期に再稼働する見込みです。なおコークス事業は従来方針どおり撤退を進めます。方針変更に伴い引当金の一部が不要となるため、第3四半期に約90億円の非経常利益を計上予定で通期予想に織り込み済みです。年間配当予想は中間16円、期末16円の計32円を据え置いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













