大和証券G、中間営業利益72.5%増の1484億円 オリックス銀行買収で収益基盤を拡充

2026年10月30日 11:51

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大和証券グループ。同グループの2027年3月期中間決算は、営業利益が前年同期比72.5%増の1,484億円となった(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

大和証券グループ本社が発表した2027年3月期中間連結決算は、営業利益が前年同期比72.5%増の1,484億円と大幅増益を達成しました。株式委託手数料やトレーディング損益の拡大が寄与したほか、8月にはオリックス銀行の買収を完了し、融資・信託機能を加えた収益基盤の拡充を進めています。一方で直近7~9月期単独では費用増により減益となるなど、足元の構造変化を解説します。

本文
 大和証券グループ本社が2026年10月30日に発表した2027年3月期中間決算(2026年4~9月)は、営業利益が前年同期比72.5%増の1,484億27百万円(1,484億円)と大幅増益となりました。純営業収益は同35.5%増の4,443億1百万円(4,443億円)、親会社株主に帰属する中間純利益は同36.6%増の1,078億46百万円(1,078億円)でした。中間期として好調な業績推移を示しています。

 大幅増益の背景の一つに、受入手数料やトレーディング損益の拡大があります。連結損益計算書によると、受入手数料は前年同期の2,186億98百万円から2,811億58百万円へ増加しました。内訳では委託手数料が481億22百万円から614億16百万円へ、トレーディング損益も456億85百万円から621億23百万円へ増加しています。大和証券単体の株券売買高でも、株券売買代金が前年同期比50.5%増、委託売買代金が同51.9%増と伸長しました。ただし、株式市場の取引拡大だけで連結営業利益の増加全体を説明できるわけではありません。

 収益拡大の一方で費用も増加しています。連結の金融収益は前年同期の3,357億92百万円から3,819億1百万円へ増加した一方、金融費用も2,960億83百万円から3,172億17百万円へ増加しました。また、販売費・一般管理費は2,418億59百万円から2,958億73百万円へ拡大し、人件費は1,187億70百万円から1,450億55百万円へ増加しています。増益の背景には収益の拡大だけでなく、営業費用の増加も並行しています。

 事業基盤における大きな変革が銀行機能の統合です。完全子会社の大和ネクスト銀行は2026年8月3日にオリックス銀行の全株式取得を完了しました。取得原価は3,851億85百万円、発生したのれんは1,034億50百万円で、20年間で均等償却される計画です。会計上のみなし取得日は7月1日とされ、オリックス銀行の2026年7月1日から9月30日までの業績が連結損益に含まれています。この買収は、証券グループの顧客基盤とオリックス銀行の不動産融資・信託機能を融合させ、従来の取引手数料に依存しない安定収益基盤の構築を狙ったものです。ただし、中間期の営業利益増加のうち同行が何億円寄与したかは短信からは確認できません。

 中間期累計では大幅増益となった一方、四半期ごとの推移では異なる傾向がみられます。2026年4~6月期と7~9月期を比較すると、純営業収益は2,203億99百万円から2,239億2百万円へ微増したものの、営業利益は775億12百万円から709億15百万円へ減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益も564億14百万円から514億31百万円へ減少しました。販売費・一般管理費は1,428億87百万円から1,529億86百万円へ増加しており、純営業収益の増加を上回る費用増が営業利益を押し下げました。累計の好調と直近四半期の利益減少は区別して捉える必要があります。

 株主還元では、中間配当を前年同期の29円から10円増配となる1株当たり39円と決定しました。一方、通期の連結業績予想は市場環境の変動が大きいとして開示していません。期末配当額も未定であり、中間配当39円を2倍にして年間配当を見積もることはできません。

 大和証券グループの中間決算は、受入手数料や金融収益の拡大を背景に大幅増益となりました。一方、直近の7~9月期単独では、純営業収益が増えながらも営業利益が減少しています。さらに、オリックス銀行の買収によって、証券取引を中心とする収益構造に融資・信託機能が加わりました。今回の決算は、証券取引関連収益の拡大と、銀行機能を組み込んだ収益基盤の再構築が同時に進む局面を示しています。ただし、買収による直接的な利益貢献の大きさは、今回の公表資料だけでは切り分けることができません。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)