東北電力、売上高48%増でも経常益64%減 燃料費調整の期ずれ630億円悪化、通期予想を初公表

2026年10月30日 19:14

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東北電力の2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比47.8%増の1兆7,275億円、経常利益が同63.5%減の458億円となりました。増収分の約6割(3,509億円)は収支影響のない自己約定の増加によるものです。利益面では燃料費調整のタイムラグが前年同期比約630億円悪化したほか、女川原発2号機の稼働差や送配電事業の赤字拡大が響きました。未定だった通期予想は経常利益1,700億円を初公表し、年間配当予想を42円へ増額しました。

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 東北電力が2026年10月30日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算(日本基準)は、売上高が前年同期比47.8%増の1兆7,275億46百万円となった一方、営業利益は同57.2%減の603億57百万円、経常利益は同63.5%減の458億66百万円と大幅な増収減益でした。親会社株主に帰属する中間純利益は同66.0%減の297億70百万円となりました。同社の決算説明資料によると、中間期の増収減益は2022年度以来4年ぶりです。同日、未定としていた通期業績予想を初めて公表し、経常利益1,700億円を見込むとともに、年間配当予想を従来の40円から42円へ引き上げました。

 売上高が47.8%急拡大した主因は、間接オークションに伴う「自己約定」の大幅増です。自己約定とは、地域間連系線を通じ卸電力取引所でエリアをまたいで売りと買いを同時に行う取引です。当中間期の売上高には自己約定分が3,776億円含まれ、前年同期比で3,509億円増加しました。これは増収額全体の約63%に相当します。同社は、自己約定に伴う売上高には対応する費用も計上されるため、収支への影響はないと説明しています。なお、実際の電力販売数量も小売が前年同期比7.8%増の301億kWh、卸売が同11.6%増の124億kWhと堅調でした。

 一方、経常利益が798億18百万円減少した最大の要因は、燃料費調整制度のタイムラグ悪化です。前年同期は約230億円の差益だったのに対し、今中間期は約400億円の差損へ転落し、約630億円の収支悪化となりました。また、電力先渡取引などの時価評価影響(プラス約107億円)が生じたものの、これら一時的な期ずれ要因を除いた経常利益でも前年同期比275億円減の751億円(前年同期は1,026億円)となっており、実質的にも減益基調でした。

 事業面では、女川原子力発電所2号機の定期事業者検査に伴う稼働差が響きました。前年同期比で原子力発電量が減少し、代替火力の燃料費増加などで経常利益を約90億円押し下げました。さらに送配電事業の収支悪化も重荷となりました。冷房需要の減少でエリア需要が前年同期比3.9%減の346億kWhへ縮小し、基準託送料金収入が減少したほか、需給調整費用が増加したことで送配電セグメントの経常損失は166億円悪化の225億円に拡大しました。

 同社はこれまで未定としていた通期連結業績予想を初めて公表しました。売上高3兆4,700億円(前期比46.3%増)、営業利益2,100億円(同30.9%増)、経常利益1,700億円(同34.5%増)、当期純利益1,200億円(同41.2%増)を見込みます。送配電子会社の託送収入見通しの変更承認や電気料金見直し、燃料価格動向を考慮しました。通期前提は原油CIF価格を1バレル約109ドル、為替レートを1ドル約157円、原子力設備利用率を約24.5%と想定しています。

 業績予想の公表に合わせ、年間配当予想を従来の40円から42円へ2円引き上げました(中間20円、期末予想22円)。前期実績(40円)比でも2円増配となります。同社はDOE(株主資本配当率)2%を目安に配当を判断する方針です。中間期末の自己資本比率は19.4%と前期末並みで、有利子負債残高は約3兆5,985億円と約1,193億円増加していることから、財務健全性の回復を進めつつ安定配当を目指します。

 自己約定の増加による大幅増収の裏で、燃料費調整のタイムラグ悪化や女川2号機の稼働差、送配電の赤字拡大により収益力が低下した今回の中間決算。通期予想を初公表し配当予想も増額したものの、予想達成には、料金見直しの効果を着実に反映させるとともに、燃料価格や為替相場の変動リスクに対応し、各事業の収支改善を進めることが重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)