今回のニュースのポイント
AGCは2026年11月5日、2026年12月期通期の営業利益予想を従来の1,500億円から1,200億円へ300億円下方修正しました。2026年1~9月期は売上高が前年同期比10.0%増の1兆6,626億円、営業利益が同2.1%減の929億円となりました。欧米の自動車用ガラス事業における製造コスト増加などが響きました。併せて、村野忠之常務執行役員が2027年1月1日付で社長執行役員CEOに就任する人事を発表しました。
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AGC株式会社は2026年11月5日、国際財務報告基準(IFRS)に基づく2026年12月期第3四半期累計(1~9月期)連結決算を発表しました。売上高は前年同期比10.0%増の1兆6,626億800万円(概数1兆6,626億円)、営業利益は同2.1%減の928億8,800万円(同929億円)と増収減益でした。税引前四半期利益は同3.9%減の703億6,200万円(同704億円)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は同15.4%減の334億2,500万円(同334億円)となりました。同社独自の事業利益も同1.4%減の762億2,000万円(同762億円)でした。円安の換算効果(約911億円)や化学品・電子部材の出荷増で増収となったものの、原燃材料高や欧米の製造コスト増が利益を圧迫しました。
セグメント別では、主力のオートモーティブ事業が利益面で大きく悪化しました。オートモーティブの売上高は前年同期比8.3%増の4,176億円と増収でしたが、営業利益は同34.1%減の154億円(前年同期は234億円)と80億円の減益となりました。欧州で高機能製品の比率上昇に伴い生産性が悪化したほか、北米でも運用面の課題から生産性が低下し、製造コストが膨らんだことが主因です。一方、化学品事業は売上高が同19.6%増の5,157億円、営業利益が同10.1%増の437億円と増益でした。インテグレイテッドケミカルズで販売価格上昇や半導体向け製品の出荷増が寄与した反面、エッセンシャルケミカルズ東南アジアでは原燃材料高や市況悪化が利益を下押ししました。
電子事業や建築ガラス、ライフサイエンスでも明暗が分かれました。電子事業の売上高は前年同期比4.3%増の2,708億円となったものの、営業利益は同5.7%減の339億円(前年同期は360億円)と減益でした。半導体向けEUV露光用フォトマスクブランクスなどの電子部材は出荷を伸ばした一方、ディスプレイ分野の製造コスト上昇が響きました。建築ガラス事業は売上高が同5.1%増の3,372億円、営業利益が同5.8%減の94億円となり、欧州での価格転嫁を進めたものの出荷減が重荷となりました。ライフサイエンス事業は売上高が同4.3%増の1,002億円、営業損益は前年同期の162億円の赤字から126億円の赤字へと36億円改善したものの、依然として営業損失が残る状況です。
2026年1~9月期には、AGCは収益性向上に向けた事業構造改善施策を実行し、一時的な損益を計上しました。オートモーティブ事業では、欧州補修用自動車ガラス施工事業を売却し、関係会社株式売却益105億円を計上しました。一方、化学品事業ではコスト増に伴う不振から英国拠点の生産終了を決定し、事業構造改善費用101億円を計上しました。さらにライフサイエンス事業では、バイオ医薬品CDMOの米国コロラド拠点売却に伴い固定資産売却損104億円を計上しています。これらの一時的要因は製品販売による損益とは区別され、営業利益と事業利益の間の「その他収益」および「その他費用」にそれぞれ反映されています。
足元の環境を踏まえ、AGCは2026年12月期の通期連結業績予想を下方修正しました。売上高予想は2兆2,000億円(前期比6.9%増)で据え置いた一方、営業利益予想は従来の1,500億円から1,200億円(前期比5.9%減、修正率20.0%減)へ300億円引き下げました。税引前利益予想は1,240億円から820億円へ33.9%、当期純利益予想は900億円から490億円へ45.6%、それぞれ従来予想から引き下げました。親会社の所有者に帰属する当期純利益予想は770億円から400億円へ48.1%減額し、前期実績比では42.2%減となる見通しです。下方修正の理由として、自動車用ガラスの欧米での製造コスト悪化、東南アジア化学品の原燃材料高、欧州建築ガラスやバイオ医薬品CDMOの販売数量未達、コロラド拠点売却に伴う売却損を挙げています。なお、電子の通期営業利益予想は従来比10億円上方修正されています。
AGCは同日、経営体制の変更も発表しました。現常務執行役員の村野忠之氏が2027年1月1日付で社長執行役員CEOに就任し、2027年3月30日付で代表取締役に就任する予定です。正式な代表取締役への選任は、2027年3月下旬開催予定の定時株主総会およびその後の取締役会決議を経て行われます。現代表取締役兼社長執行役員CEOの平井良典氏は、2027年1月1日付で代表取締役会長に就任します。年間配当予想は、中間配当実績105円と期末配当予想105円を合わせた1株当たり210円(前年実績と同額)を据え置いており、今回の業績予想修正に伴う配当予想の変更はありません。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













