今回のニュースのポイント
JR西日本が2026年11月5日に発表した2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比0.9%増の8,792億5,900万円で6期連続増収となった一方、人件費や修繕費の増加で営業利益は6.1%減の1,154億6,300万円と2期ぶり減益でした。新幹線運輸収入の堅調さや費用見直しを反映し、通期営業利益予想を200億円上方修正して1,850億円(中東影響想定の70億円改善を含む)としました。年間配当予想は97円50銭で据え置いています。
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西日本旅客鉄道(JR西日本)は2026年11月5日、2027年3月期中間連結決算を発表するとともに、通期連結業績予想の上方修正を公表しました。当中間期の売上高(営業収益)は前年同期比0.9%増の8,792億5,900万円となり、6期連続の増収を達成しました。しかし、営業利益は同6.1%減の1,154億6,300万円と2期ぶりの営業減益となりました。一方で同社は、新幹線を中心とした運輸収入の堅調さや費用見通しの精査などを踏まえ、2027年3月期通期の連結営業利益予想を従来の1,650億円から1,850億円へと200億円上方修正しました。鉄道利用の増加による増収の一方でコスト増が利益を圧迫した上期実績と、通期業績予想の上方修正が示されました。
上期の運輸動向をみますと、新幹線を中心とする鉄道利用の伸びが確認されました。同社単体の運輸収入は前年同期比3.0%増の4,797億円となり、前年同期から139億円増加しました。内訳では、山陽新幹線が2,365億円(同99億円増)、北陸新幹線が428億円(同37億円増)となり、新幹線全体では前年同期比136億円増の2,793億円と好調でした。前年の大阪・関西万博に伴う特需の反動として186億円の押し下げ要因が生じたものの、大型連休の需要取り込みなど国内需要の伸長が323億円の増収効果をもたらし、万博効果の剥落を補いました。なお、近畿圏の運輸収入は定期外の万博反動などが影響し、前年同期比8億円減の1,589億円と小幅な減収にとどまりました。
鉄道利用の増加により中核のモビリティ業は営業収益が前年同期比3.4%増の5,460億円と増収となったものの、営業利益は同2.4%減の842億円となり、増収減益でした。利益を圧迫した要因は、人件費や修繕費などのコスト増加です。JR西日本単体の営業費用は前年同期から183億円増加して4,454億円となりました。賃金単価の上昇に伴い人件費が前年同期比60億円増の1,131億円となったほか、労務単価上昇により修繕費が同46億円増の736億円、減価償却費が同31億円増の691億円へと膨らみました。連結の営業費用も同2.0%増の7,637億円となり、売上高の伸び率0.9%を費用の増加率が上回ったことが営業減益につながりました。
鉄道以外の主要セグメントでも事業環境の変化を反映した推移となりました。流通業は営業収益が前年同期比6.3%減の1,115億円、営業利益が同29.5%減の72億円と減収減益でした。駅ナカのコンビニや飲食店は前年並みを維持したものの、前年の万博需要で賑わった土産店における反動減が響きました。一方、不動産業は営業収益が前年同期比0.9%増の1,246億円、営業利益が同5.7%減の240億円と増収減益でした。拠点型ショッピングセンター「ルクア」などが国内需要を捉えて賃料収入を伸ばした反面、奈良ホテルの改修に伴う休館や中国政府の渡航自粛要請等の影響でホテル業の収益が伸び悩んだことが下押しとなりました。
こうした実績を踏まえ、同社は2027年3月期通期の連結業績予想を上方修正しました。通期の売上高予想は従来予想の1兆8,290億円から1兆8,670億円(前期比1.1%増)へ380億円引き上げ、営業利益予想は従来の1,650億円から1,850億円(修正率12.1%増)へ200億円増額しました。事業別の修正額は、モビリティ業が165億円増、不動産業が20億円増、流通業が15億円増です。営業利益200億円の増額要因には、中東情勢によるマイナス影響の想定見直しが含まれています。原油価格の前提を1バレル100ドルから90ドルへ見直したことなどにより、影響想定を130億円から60億円へと縮小し、70億円の改善を内数として織り込みました。
通期の経常利益予想は従来の1,450億円から1,660億円(前期比9.6%減)へ210億円上方修正され、親会社株主に帰属する当期純利益予想も1,000億円から1,190億円(同6.7%減)へ190億円引き上げられました。今回の修正で各利益項目は増額されたものの、修正後の通期営業利益予想1,850億円は前期実績の1,980億8,100万円と比較すると6.6%減となり、前期比では減益見通しとなります。また、2027年3月期の年間配当予想につきましては、中間配当実績の1株当たり48円50銭と期末配当予想49円を合わせた年間97円50銭とし、前期実績と同額の据え置きとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













