屋内退避エリア住民に自主避難促した 官房長官

2011年03月28日 11:00

 枝野幸男官房長官は25日、東京電力福島第一原発から20km以上30km圏内の屋内退避住民らに対し、自主避難を促すよう対象エリアの市町村長に対して要請するとともに、国、県と連携を密にしながら避難指示が出された場合に速やかに避難誘導できる準備を行うよう要請したことを明らかにした。

 屋内退避指示エリアではスーパーなどに物資が入ってこないなど食料品を含め日常の生活用品が購入できない問題が発生している一方で、製造業者など事業者の中には事業を再開しないと倒産に追い込まれかねないとして、従業員らを職場復帰させる動きも一部で出ているという。

 こうした中、枝野官房長官は自主避難を希望する住民が増えていることや商業・物流に停滞が生じ、社会生活の維持が困難になりつつあること、今後の推移によっては放射線量が増大し、避難指示を出す可能性が否定できないことなどをあげ、区域内の住民に対する生活支援や自主避難への促進、避難指示が出された場合、直ちに避難が実施できるよう地元自治体に準備を要請したと発表した。

 枝野官房長官は政府としても生活支援や自主避難の移動手段の確保、受け入れ施設の確保などに最大限の努力をするよう徹底する、とした。

 自主避難の促進措置よりは避難指示の方が事業経営者やエリア内の事業所に勤務する従業員にとって退避以外の選択肢がなくなり、かえって混乱を招かずにすむのではないかとの意見も聞かれる。
(編集担当:福角忠夫)