三菱重工業、リチウム二次電池の量産化実証工場が竣工

2010年11月22日 11:00

k101120_044_1

三菱重工業がリチウム二次電池事業への本格参入に向け、長崎造船所(長崎市)内の敷地に建設していた同電池の量産化実証工場が17日に竣工。なお、年間生産能力は6万6,000kWhを予定しているという。

 三菱重工業<7011>がリチウム二次電池事業への本格参入に向け、長崎造船所(長崎市)内の約2,000平方メートルの敷地に建設していた同電池の量産化実証工場が17日に竣工した。

 同工場は12月から生産を始め、ライン稼働率、タクトタイム、電池性能の実証に取り組んでいく。実証ラインには、同社が保有するスラリー技術や印刷塗工関連技術、ターボチャージャーの量産管理技術などを、総合的に盛り込んでいる。さらに2011年をめどに、国内外の市場動向を踏まえさらなる本格的な量産工場の着工を計画しているという。

 また同社は、リチウム二次電池の製造だけでなく、システム開発力を活かした市場参入も推進。世界に先駆けて昨年10月に発売したエンジン式ハイブリッドフォークリフトでは、パワートレインとして同電池を搭載することにより省燃費化を実現している。同時に、電動フォークリフト、電気バス、クレーンなど自社製品である輸送・搬送機器、あるいは他社製品にも、電動パワートレインシステムを組み込むことによる商品性の向上を提案している。

 同社は、エネルギー機械総合メーカーとして、産業用を中心に蓄電分野の技術・製品開発に力を注ぐことで、さらなる省エネルギー社会の構築に貢献。なお、年間生産能力は6万6,000kWh(中型電池換算で約40万個)で、各種実証技術に取り組み、早期の本格的な商業量産につなげていきたいとしている。
(編集担当:宮園奈美)