昭和電工<4004>は、インドネシア・アンタム社と共同でケミカル用アルミナの生産についての事業性評価を実施。その結果、両社は2011年1月よりインドネシア西カリマンタン州にアルミナ工場の建設を開始することで合意した。新工場はアンタム社が80%、同社が20%出資する合弁会社インドネシア・ケミカル・アルミナ社が運営する。
今回建設される新工場では、アルミナの原料であるボーキサイトは採掘権を保有するアンタム社がICA社に供給し、アルミナ生産に関する技術は同社が提供。生産能力は年産30万トンであり、このうち20万トンは同社、残りの10万トンはアンタム社が引き取る計画だ。現在、同社は横浜事業所において年産約20万トンのアルミナを生産しているが、生産過程で発生するボーキサイト残渣の海洋投入処分を2015年末までに終了。横浜事業所での生産からも撤退することを既に決定済みであることから、新工場における同社引き取り分の20万トンを横浜事業所生産分の代替品とする。
アルミナはアルミニウム製錬の原料となるほか、中間製品である水酸化アルミニウムは浄水場における水質の浄化剤などに、また機能性材料、エレクトロニクス製品の材料としても使用。新工場ではケミカル用アルミナ(アルミニウム製錬原料以外に用いられるアルミナと水酸化アルミニウムの総称)を生産し、同社の既存のユーザーの販売に加え、新たにインドネシア国内および周辺地域における水質浄化用途向け等の需要増加に対応する。
今回のインドネシアでのアルミナ工場建設により、同社は国際社会における規制等に適切に対応し、既存のユーザーに対しての責任を果たすとともに、今後、成長するアジアマーケットでの事業機会の創出につなげていく。
なお、完工は2013年12月、操業の開始は2014年1月の予定。投資額は約4億5千万米ドル(約400億円)を見込んでいる。
(編集担当:宮園奈美)