トレンドになりつつある企業の間伐材利用方法とは

2013年04月21日 16:47

 円安の影響で原料の木材チップなどの輸入価格が高騰し、値上げ報道が多く見られる家庭紙。そんな輸入木材の話題とは逆に国内の「間伐材」利用がトレンドとなってきている。

 そもそも「間伐材」とは何かというと、人工林の樹木・土壌の健全化のため、木々の間隔を広くするために間引きした時に発生する木材のこと。「間伐」に関しては、政府も推進しており、林野庁では国土の保全や地球温暖化防止のため森林を適切に整備・保全することが必要で、特に「間伐」等の手入れを適時適当に進めていく必要があるとしており、平成19年度からの6年間で330ヘクタールの「間伐」実施を目標としている。

 そんな中、近年では様々な企業でCSR活動や商品開発において「間伐材」の利用を積極的に行う動きが見られるようになってきた。

 2006年から間伐材利用のCSR活動を行っているコクヨ<7984>は早くからその商品化に取り組み、家具やファイルなどを発売している。また、エステー<4951>は今年の2月、北海道のトドマツの間伐材の枝葉から抽出した樹木水を配合した消臭・芳香剤「消臭力 優しい森」を発売した。

 セブン&アイ・ホールディングス<3382>とセブン-イレブン記念財団は、昨年から健全な森づくりに必要な間伐や下草刈りなどの森林整備活動を行う「セブン&アイ森林プロジェクト」を始めた。同プロジェクトでは東京農業大学農山村支援センターが活動地域の選定や整備の進行管理を行うという産学連携での取組みで、毎年1箇所、その活動地域を増やしていくという。「間伐材」は店舗資材や事務備品、ペレットなどにその活用が検討されている。

 住宅メーカーのアキュラホームはユニークな活動を行っている。その内容は、「間伐材」を加工・製作し、小学校の学習机の天板を各地の学校に寄贈しているというものだ。木望の未来プロジェクト」と名付けられたその活動は2010年から始まり、今年もすでに15校で実施された。同社はただ机の天板寄贈だけを行っているのではなく、社長や社員がその小学校に出張授業として出向き、“カンナがけ体験”などを通して木の素晴らしさも伝えている。

 様々なアイデアで利用される「間伐材」だが、『ものづくり日本』の技術の高さを持ってすれば、注目度の高い商品やCSR活動が、まだまだ多く登場するはずだ。(編集担当:北尾準)