アベノミクスによる株式市場の活性化の影響で、不動産、とくに分譲マンションの販売が好調の様子をみせている。
ここ最近の株価の急上昇が、いずれ不動産にまで波及するのではないかとの見方が強まっていることから、全国の都心エリアで新築マンションの価格が上昇することはほぼ確実と見られており、富裕層だけでなく不動産購入に積極的になっている人が増えているためだという。
都心部の高層マンションなどでは、問い合わせ件数がこれまでの約2倍以上に増え、さらに増加傾向にあるという。また、高価格帯の物件への問い合わせも増えている上、購入までの検討時間も短くなっているといい、購入者の意思決定がしやすくなっている状況であることを窺わせる。
また、株価の上昇だけでなく、円安傾向も一つの要因になっているようだ。建築費に大きく影響する鉄鋼石や鋼板、原油などの価格が上昇することで、不動産価格が上昇する可能性が高い。さらに、国土交通省が発表した2013年の公示地価では、各地で地価上昇の動きがみられる。仮に、安倍政権の目標通り、消費者物価が前年比2%まで上昇したとするならば、不動産の平均価格が20%近く上昇する可能性は十分に考えられるだろう。
ところが、住宅ローンの長期金利は今のところ、ほとんど上がらないとみられている。
日銀の政策では2年間に渡って長期国債を買いまくるため、金利が上がるとしても3年以降先。それまでの間、一時的な金利上昇はあっても本格的な上昇にはならないとみられている。また、長期金利が上がらない以上、短期金利だけが上昇することもない。
つまり、近い将来にやってくるであろう金利の上昇や不動産価格の高騰を予測すれば、あらゆる意味で、今年が不動産の買い時ともいえるのだ。さらには、マンション契約率の上昇に伴い、すでに取引価格も上昇し、地価も回復ピッチを早める傾向にある。
アベノミクスにのるかそるかの投資目的の購入はともかく、本来の住居目的ならば、不動産価格が高騰する前に検討だけでもしておく価値はあるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)