日銀の追加緩和なしで失望売り、13日は売られるだけ売られ843円安、そして迎えたメジャーSQ算出日
前週末7日のNYダウは207ドル高。注目の5月の雇用統計は、失業率は0.1ポイント悪化して7.6%だったが、非農業部門雇用者数の増加は17.5万人で4月の14.9万人より2.6万人多く、市場予測の17万人を少し上回った。10日朝方の為替レートはドル円は98円台前半、ユーロ円は129円台後半で、円高も落ち着いてきた。
日経平均は264.32円高の13141.85円と大幅高でスタート。前場は13200円台を回復して13300円台にもタッチ。ドル円が円高に振れて97円台になっても急落せず、高値もみあいの堅調な展開。後場はドル円が98円台に戻り日経平均はほぼ13300円台で安定する。2時すぎには13400円台にタッチし、大引け前に上昇ピッチを上げ、終値は636.67円高の13514.20円の高値引けで13500円を突破し、4日ぶりの大幅反発。TOPIXは+55.02の1111.97と1100台を回復した。日経平均の上昇幅636円は今年最大だったが、その上昇率4.94%をTOPIXの上昇率5.21%が上回る全面高。売買高は32億株、売買代金は2兆5760億円で、商いはやや低調だった。
業種別騰落率は全業種がプラスで、上位は輸送用機器、鉄鋼、ゴム、証券、情報・通信、石油・石炭などで、下位は陸運、パルプ・紙、不動産、卸売、倉庫、保険などだった。
10日のNYダウは9ドル安。11日朝方の為替レートはドル円が一時99円台で98円台後半、ユーロ円が131円近辺で、円安が進んだ。
日経平均始値は9.43円安の13504.77円。その後は利益確定売りで13419円まで下げても反転し13500円台を回復しプラス圏に浮上。マイナスでも小安い水準を維持する日銀会合の結果待ちの様子見ムードは昼休みの発表で一変する。「LTRO(長期資金導入オペ)」「ETF、J-REITの買入枠拡大」のような新政策は全く出ず現状維持。市場の期待が裏切られて発表後に円高が進行し、後場の株式市場では暴落が懸念された。
だが、前引けから200円程度の下落で始まり、マイナス圏でも13400円台にたびたび乗せる意外な底堅さ。下げても13300円を4円割り込んだだけ。それでも13400円台は最後まで維持できず大引けにかけて売り込まれ、終値は196.58円安の13317.62円だった。TOPIXは-10.82の1101.15と1100台を維持。商いは薄く売買高は35億株で、売買代金は2兆7149億円と3兆円を割り込んだ。
値上がりセクターはパルプ・紙、建設、保険、証券、銀行の5業種のみ。値下がり幅が大きいセクターは不動産、その他金融、鉄鋼、電気・ガス、倉庫、鉱業などだった。
11日のNYダウは116ドル安。ドル円は一時95円台まで円高が急進。12日朝方の為替レートはドル円が96円台前半、ユーロ円が128円前後で、長期金利上昇、円高に加え、海外市場のリスクオフで東京市場の大幅下落は避けられない情勢になった。
日経平均は229.96円安の13087.66円でスタートするが、一時13000円を割り込んでも12994円どまりで値動きはだんだん小さくなる。「メジャーSQの週の水曜日は荒れる」と言われるが全く逆の静かな展開。午後1時以降は為替の円安に足並みを揃えたジリ高に変わり、下げ幅を圧縮して2時23分には瞬間プラス。終値は28.30円安の13289.32円。TOPIXは-4.61の1096.54。売買高は29億株。売買代金は2兆2768億円で商いは細っている。
東証1部33業種で騰落率プラスは電力・ガス、小売、繊維、機械、鉄鋼、倉庫など9業種にとどまった。マイナスはパルプ・紙、不動産、輸送用機器、ゴム、銀行、保険などだった。
12日のNYダウは126ドル安。13日朝方の為替レートはドル円が95円台後半、ユーロ円が127円台後半で円高傾向に変わりない。世界的な株式市場の軟化、売買の減少、リスクオフの影響が及び、日経平均は251.30円安の13038.02円で始まる。前場は13000円から12500円まで次々と割り込んで、ドル円は94円台に突入し、連休明け再開の上海市場も香港市場も大幅に下落して相場をさらに凍えさせる。下値を探り続けた末、873円安の12415円でようやく止まる。為替に連動して12587円まで折り返して前場を終え、後場はさらに値を戻し12600円台、続いて12700円台に乗せるが、午後2時台に為替が円高方向に振れたため、再び12500円を割り込み結局、843.94円安の12445.38円で取引を終えた。TOPIXは-52.37の1044.17。売買高は32億株、売買代金は2兆6935億円で3兆円割れが続く。
業種別騰落率は全て下落。下落率が小さかったのは空運、鉱業、保険、電気・ガス、石油・石炭、その他製品などで、大きかったのはその他金融、情報・通信、証券、金属製品、食料品、小売などだった。
13日のNYダウはマイナスからジリ高し180ドル高で4日ぶり反発。前日からドル円がたびたび93円台をつけても、14日朝方の為替レートはドル円が95円台後半、ユーロ円が127円台後半と円高も一服していた。
3ヵ月に一度のメジャーSQ算出日で、日経平均は223.52円高の12668.90円で始まるとすぐ12700円台に乗せ、3分後に12800円を突破するが、安倍内閣が「成長戦略」と「骨太の方針」を閣議決定した午前9時すぎから急進した円高に足を引っ張られ、伸びが止まったところでSQ値12668.04円が出る。円高に押され日経平均は12700円台に沈むが、乱高下で荒れることはない。ところが円高のほうが止まらずドル円が94円台に突入したため、日経平均はSQ値を割り込んだ。
その後は為替と歩調を合わせて値動きが落ち着き、ドル円が95円台に戻ると12800円に再びタッチ。後場の2時台には12900円にもタッチしたが、大引け前にまた為替が94円台に振れたため売り込まれ12700円を割り込む。終値は241.14円高の12686.52円とSQ値をかろうじて上回り4日ぶりに反発した。今週は2勝3敗で191円下落したが、下落幅は前週から大幅に圧縮した。TOPIXは+12.28の1056.45。売買高は37億株、売買代金は3兆3155億円だった。
業種別騰落率のマイナスは証券、銀行、保険の金融系3業種だけで、プラス上位は不動産、倉庫、電気・ガス、医薬品、金属製品、小売などで、プラス下位は非鉄金属、輸送用機器、鉱業などだった。(編集担当:寺尾淳)