住友金属鉱山が、鹿児島県伊佐市の菱刈鉱山において、現在採掘中の鉱体の下部にも有望な鉱体が連続していることが確認されたため、この下部鉱体を新たに開発することを決定したと発表。投資総額は、約32億円で、2012年11 月に工事を開始し、2018年から下部鉱体の採掘を行う。
菱刈鉱山には地下に温泉水が存在しており、現在はこの水位を下げる設備を海抜マイナス50メートルレベルに設置して金鉱石の採掘を行っている。この菱刈鉱山において、近年の探鉱の結果、現状の水位よりさらに下部にも有望な鉱体が連続していることが確認されたため、この下部鉱体の開発を進めることを決定したという。これまでの探鉱の結果から、この開発により金量約30トンの獲得が期待されるとのこと。下部鉱体の採掘にあたっては水位をさらに低下させる必要があることから、新たな設備を坑内の海抜マイナス80メートルレベルの地点に設置するという。
菱刈鉱山は、日本最大の生産量を誇る金鉱山である。また、同社にとって海外資源獲得へ向けて国内唯一の鉱山技術者養成の場という側面も併せ持っている。そのため、この菱刈鉱山の長期安定操業が、今後の国外における金鉱山開発の鍵となるであろう。