海外の経済指標は、29日はアメリカの6月の中古住宅販売件数、仮契約住宅販売指数、30日はドイツの7月の消費者物価指数(CPI)、ユーロ圏の6月の消費者信頼感指数確定値、アメリカの5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、7月のCB消費者信頼感指数、31日はフランスの6月の卸売物価指数(PPI)、消費支出、ドイツの7月の失業率、ユーロ圏の7月の消費者物価指数(HICP)速報値、6月の失業率、アメリカの7月のADP雇用統計、4~6月の第2四半期実質国内総生産(GDP)速報値、7月のシカゴ購買部協会景気指数、8月1日は中国の7月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)、HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)確定値、ドイツ、英国、ユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)、アメリカの7月のチャレンジャー人員削減数、7月のISM製造業景況指数、新車販売台数、6月の建設支出、2日はユーロ圏の6月の卸売物価指数(PPI)、アメリカの7月の失業率、非農業部門雇用者数、6月の個人所得、個人消費支出(PCEコア・デフレーター)、製造業受注指数が、それぞれ発表される。
30~31日にアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、日本時間で8月1日午前3時に結果が発表される。バーナンキFRB議長は「量的緩和政策の縮小は利上げと切り離して考える」と繰り返し強調しているので政策金利は動かない見通しだが、量的緩和政策の縮小のほうは「本番」ともいわれる9月17~18日の次期会合の前に何かアクションがあるだろうか。イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会は7月31日~8月1日に開かれ、ECBの定例理事会は8月1日に開かれてドラギ総裁が記者会見を行い、それぞれ政策金利が発表される。そして8月2日は毎月注目のアメリカの雇用統計発表で、日本時間で午後9時30分に発表される。
アメリカ主要企業の4~6月期決算は来週でほぼ終わる。30日はファイザー、メルク、コーニング、コーチ、31日はマリオット、マスターカード、8月1日はAIG、P&G、ケロッグ、エクソンモービル、2日はシェブロンが発表する予定。医薬品やエネルギーの銘柄に関心がある投資家は要チェックだろう。
今週は参議院選挙でアベノミクスが信任された勢いで15000円にタッチするかと思いきや、マーケットは百鬼夜行。いろいろなものに邪魔された。取引時間中の為替の円高進行に連動した先物売りに押され、中国の経済指標の悪化や上海、香港市場の軟調に影響され、主力銘柄の決算発表は、たとえ増収増益でも市場予測つまりアナリスト・コンセンサスを下回ればそれだけで売り込まれた。邪魔をしなかったのは史上最高値水準で走ったNY市場ぐらい。ネガティブサプライズが出現したわけでもないのに26日には14100円台までズルズル下落した。それは突然の雷鳴と突風と豪雨に見舞われる「夏の嵐」と言うよりは、小雨がしとしと断続的に降り続くような、まるで「秋の長雨」のような下がり方だった。
やはり、5月23日に狂わされた需給バランスの後遺症は、裁定買い残、信用買い残があまり減らないまま潜伏期間を経て、参議院選挙という大きなイベントを越えてひと息ついたところでぶり返してきたようだ。その病根が絶たれない限り、病気の再発は避けられないのか。それとも、何かポジティブサプライズでもあればカンフル剤が注射され、再発しても軽い症状ですむようになるのだろうか。「東京が2020年オリンピック開催地に決定」というポジティブサプライズ期待がある9月7日のIOC総会まで1ヵ月以上ある。その間、真夏の株式市場はお盆休みも夏休みもなく、売買高を減らしつつ商いが続く。
そんな危うさを秘めたけだるい市況が変わるとしたら、やはりピークを迎える主力銘柄の決算なのだろうか。春頃には「4~6月期は円安や金融緩和などアベノミクスの効果が企業の好決算としてあらわれ、それが夏以降の株価を上昇させる」「金融相場から業績相場に移行する」としきりに言われたが、フタを開けてみると4~6月期決算の影響はそれほど単純ではないようだ。