【今週の振り返り】薄商いでも毎日波瀾万丈で850円も下げた週

2013年08月10日 20:05

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そうなった理由が謎めいている突然の数百円の急騰も急落も高値引けも安値引けもあり

 7日のNYダウは48ドル安で3日続落。クリーブランド連銀のピアナルト総裁が「雇用情勢の改善は予想以上」「雇用改善が進めば量的緩和策を縮小する用意がある」と言えば、夏枯れで手がかり難の市場は「9月になれば」派に加勢したとみなす。8日朝方の為替レートは、ドル円は96円台前半、ユーロ円は128円台半ばと円高が大きく進行した。

 外資系証券の注文状況も売り越しで日経平均は45.47円安の13779.47円で始まるが、ドル円が96円台後半に戻したため、TOPIXを置き去りにスルスルと上昇してプラス圏に浮上し、13900円を突破し30分で14000円にあと14円まで迫る。もみあった後、午前10時10分すぎに一時14000円の大台に乗せた。しかし「閣僚懇談会で安倍首相が消費増税の影響の検証を指示」という海外の投資家が嫌がるニュースが飛び込んで売られ、前場は13926円で引けた。11時発表の7月の東京都区部のオフィス空室率は前月比で0.17ポイント改善。正午に日銀の金融政策決定会合の結果が出て、金融政策は現状維持を全員一致で決定し、7ヵ月連続で上方修正していた景気判断は「ゆるやかに回復しつつある」のまま据え置いた。中国の7月の貿易統計は、輸出が前年同月比5.1%増、輸入が10.9%増でともに市場予測を大きく上回り、貿易黒字は178億ドルで市場予測に届かなかったものの、上海、香港市場はこれを材料に上昇した。

 後場は高く始まり一時14000円を突破するが長続きしない。1時30分頃から下落が始まり、2時20分を過ぎると加速して13800円、13700円、13600円を次々と割り込む滝のような急落ぶりで、2時39分に13556円まで下げた。先物主導だが為替には動きが乏しい。マイナス材料として2時に発表された7月の景気ウォッチャー調査があり、現状判断DIが6月を0.7ポイント下回る52.3で、4ヵ月連続で低下し市場予測の53.5を下回ったが、400円を超える大幅安を誘うほどの大物指標とは思えない。謎のまま取引が終了し、日経平均終値は219.38円安の13605.56円と続落し、日中値幅は475円に達した。TOPIXは-15.67の1139.59。売買高は23億株、売買代金は2兆1481億円だった。

 非鉄金属は値上がりし、石油・石炭は全くイーブン。下落幅が小さいセクターは空運、海運、不動産、卸売などで、大きいセクターはゴム、建設、情報・通信、保険、パルプ・紙、鉱業などだった。

 8日のNYダウは27ドル高で4日ぶり反発。中国の貿易統計、新規失業保険申請件数が市場予測を上回ったので高く始まった。ダラス連銀のフィッシャー総裁が「量的緩和縮小は9月から始めるべき」と発言したためいったんマイナス圏に沈むが限定的で、その後は買い直されてプラス圏で安定的に推移した。フィッシャー発言を受けてドル円は一時95円台をつけたが、9日朝方の為替レートはドル円が96円台後半、ユーロ円が129円台半ばと前日よりもやや円安になっていた。

「マイナーSQ」の日の日経平均は67.93円高の13673.49円で始まった。SQ値は午前9時10分すぎに13640.03円と出た。午前9時台は円高一服と2日続落後の押し目買いで13750円をオーバーする時間もあったが10時前からまたもや200円を超える急落を喫し、SQ値を割り込んで「まぼろしのSQ」を消す。マイナス圏の13550円割れからプラスに戻り一時は13700円にタッチするが、後場は上海市場の下落を受けて一段安で前日終値近辺での値動き。午後2時前には再び13550円を割るが、その後は徐々にプラスまで戻して9.63円高ながらもSQ値よりも下の13615.19円で、2勝3敗、前週末から850円も下落して今週の取引を終えた。TOPIXは+1.32の1140.91。売買高は22億株、売買代金は2兆309億円で、SQの日なのに前日よりも商いが少なかった。

 プラス上位は非鉄金属、機械、海運、鉄鋼、ガラス・土石、情報・通信など。マイナス下位は精密機器、鉱業、小売、倉庫、石油・石炭、その他金融などだった。(編集担当:寺尾淳)