新型ルノー ルーテシアにみる、カーデザインの無国籍性

2013年08月11日 20:13

 先日、日産の横浜工場を訪ねる機会があった。入り口には日本の国旗とフランスの国旗がはためいていた。日産がルノーの傘下であることを、改めて感じさせる情景だった。

 ルノー・ジャポンは新型ルノー ルーテシアを、9月24日から全国のルノー正規販売店で販売する。4代目となる同車は、ルノーの新しいデザイン戦略「サイクル・オブ・ライフ」アイデンティティーのもとでデザインされた初めてのモデル。

 新型ルノー ルーテシアには、新開発の1.2リッター ターボチャージャー付筒内直接噴射 直列4気筒エンジンが搭載される。1.2リッターという小排気量ながら、パワーは1.6リッター自然吸気エンジン並み、トルクは2.0リッター自然吸気エンジン並みの高い性能を発揮する。このエンジンに組み合わされるトランスミッションは、2組のクラッチ機構を持つ6速エフィシェント デュアルクラッチ トランスミッション(EDC)となっている。

 7色のボディカラーと内装カラー、ホイールカラーを組み合わせた「パック・クルール」や、内装パーツセットの「パック・デザイン」といったオプションにより、自分だけの1台をデザインすることができるという。日常での使いやすさといった特徴をさらに伸ばしつつ、情熱的なデザインと爽快感溢れる走りによって、さらに魅力的なモデルへと生まれ変わったとしている。価格は199万8000円~238万円。

 この新型ルーテシアを始めてみた時に、奇妙な既視感があった。日産の「ジューク」に雰囲気が似ている。さすが関連会社だと思ったのだが、角度によっては、フォルクスワーゲンのゴルフだったり、アルファロメオのコンパクトカーのようにもみえる。新しいデザイン戦略「サイクル・オブ・ライフ」は、いろいろなメーカーのデザインの寄せ集めなのかと、ちょっと意地の悪いことも考えてしまうが、それは違うだろう。インターネットの普及などで、世界がまさにボーダーレスとなっている昨今、クルマのデザインも例外でなく、「お国柄」のような個性がなくなっているのは事実である。今回のルーテシアもイタリア車なのか、フランス車なのか、ドイツ車なのかは、デザインから判別するのは不可能だろう。それが良い悪いではなく、今はそんな時代であるということだ。(編集担当:久保田雄城)