キューピーと全農、業務用野菜加工品で提携

2013年09月03日 18:06

 ひとり暮らしだったりすると、野菜をまるごと買っても使い切れずに無駄にしてしまうことがあるし、家族で暮らしていても、あらかじめ適当な大きさに刻まれているカット野菜は手間いらずで、とても便利だ。これは一般家庭に限らず飲食店としても同じことだろう。

 キユーピーと全農(全国農業協同組合連合会)は、業務用野菜加工品の製造・販売を行う新会社「グリーンメッセージ」を合弁で12月に設立する。

 日本の食品市場は、加速する高齢化、女性の社会進出、単身世帯の増加、個食化の進行などのさまざまな要因を背景に、食の外部化(内食から中食・外食へのシフト)が進んでいる。また、国内の野菜生産は縮小傾向にあると言われているが、その中に占める加工・業務用向けの野菜、特にカット野菜の割合は増加している。

 「グリーンメッセージ」は、キユーピーの生産技術力と品質力、そして全農の野菜調達力という、両者の強みを最大限に活かす合弁会社だとしている。出資比率は、キューピーが51パーセント、全農が49パーセントとなっている。

 新会社は、野菜の「グリーン」と、想いを伝える「メッセージ」を組み合わせ、「グリーンメッセージ」と命名したという。

 同社は全農が所有する神奈川県大和市の土地に約3,500坪の新工場を建設し、主に業務用向けの野菜加工品の製造・販売を行う。新工場の投資金額は約20億円で、14年10月の稼働を予定。年間生産能力は約8,000トン。25年までに国内でさらに2ヵ所の生産拠点を設け、100億円の売上高をめざすとしている。

 キユーピーグループは「野菜のキユーピー」を中期経営計画における成長の方向性の一つとして掲げており、拡大する業務用の野菜加工品市場に積極的に取り組むことは、グループの今後の成長に大きく寄与すると考えているという。

 また、全農は、変化する野菜需要への対応力をいっそう強化し、国内農業の生産基盤強化と安定化を推進していくとしている。(編集担当:久保田雄城)