【今週の振り返り】意外な結果のFOMCを経て337円上昇した週

2013年09月21日 20:12

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東京五輪がある、リニアもできる。消費税は上がるが法人税は下がる。だから「今の日本は買い」?

 18日のNYダウは4日続伸し147ドル高の15676ドルで8月2日以来の史上最高値更新。朝からマイナスだったが、午後2時(日本時間午前3時)に「量的緩和維持(縮小延期)」というFOMCの結果が伝わると一気に100ドル超の急騰をみせサプライズ反応。その後もさらに上昇して終えた。売買高も前日の約4割増と急増。量的緩和政策の縮小は「景気回復の進展を確実に見届けるまで判断を待ちたい」という。バーナンキFRB議長は記者会見で「7.3%の失業率は大きすぎる」「(景気、雇用の回復に)確証が持てない」と話した。そんな雇用重視のスタンスは後継決定的のイエレン副議長も同じ。かくして前週まで最有力だった「縮小開始-サマーズ後継」の予想は大外れした。長期金利が2.7%割れと急低下してドル安になりドル円は一時97円台をつけ、19日朝方の為替レートはドル円は98円台前半、ユーロ円が132円台後半だった。

 日経平均は175.04円高の14680.40円でTOPIXは1200台を回復とNY株高を反映して始まる。東京商品取引所では金先物が急騰し取引開始時からサーキットブレーカーが発動されていた。予想を裏切るサプライズは小さなマーケットには波乱をもたらす。30分ほどで日経平均は14600円台、TOPIXは1200台を割り込み、ドル円が前日比約1円の円高ではやはり足を引っ張られるかと思いきや、下げ止まって数分でリカバリーし、10時台には14650円近辺で高値もみあい。韓国、中国、台湾は休場で、香港ハンセン指数は3日ぶり反発で始まった。前場は安定した値動きが続いた後、前引け直前の上昇で14700円まであと3円に迫る。為替が動かなくても、グローバルな金融リスク低下に加え、「安倍首相が来年度からの段階的な法人減税を指示」「復興特別法人税は前倒しで終了させる」という法人税制をめぐる新聞報道も大きく効いていた。

 後場は14700円台にしっかり乗せて一段高で始まる。午後2時前から少しダレ気味に14700円を割るが30分あまりで復帰。大引けは日経平均が260.82円高の14766.18円、TOPIXが+22.41の1215.48で、ともに高値引けになった。売買高は37億株、売買代金は2兆4147億円で、株価も商いも続伸した。

 全業種プラスで、上位は鉄鋼、非鉄金属、不動産、その他金融、パルプ・紙、機械など。下位は石油・石炭、鉱業、医薬品、水産・農林、ガラス・土石、電気機器などだった。

 19日のNYダウは40ドル安で5日ぶり反落。新規失業保険申請件数もフィラデルフィア連銀製造業景況指数も悪くなかったが、前日の量的緩和縮小延期で史上最高値までのぼりつめてひと休み。市場の関心は10月にタイムリミットを迎える連邦政府債務上限引き上げ問題に移ったが、議会の話し合いは進展していない。新型iPhone発売直前のアップルが買われてNASDAQ総合指数は上昇した。新興国からのマネー撤収の懸念が遠のいてリスク回避の円買いとは正反対の円売りで、20日朝方の為替レートはドル円が99円台前半、ユーロ円が134円台半ばまで円安が進んだ。

 日経平均は35.46円高の14801.64円で始まるが、10分ほどでマイナスにタッチ。その後はアップダウンして14800円近辺に戻る。14700円台後半の前日比プラス水準でもみあった後、50円高まで上げたかと思えば前引け前にはマイナスまで落ちるなど、買いと売りがせめぎあう展開。しかし後場は一転、軟調になり、マイナス圏まで下げて午後1時32分には14700円割れ寸前の最安値をつける。マイナス圏の14700円台前半で大きくうねり、大引け前に戻すがプラスには届かず、23.76円安の14742.42円で、2勝2敗、前週末から337.75円上昇して今週の取引を終えた。円安の進行で5月24日以来の15000円タッチもありうるかと思われたが、利益確定売りがきつい三連休前の金曜日でもあり、踊り場の一日だった。TOPIXは+3.50の1218.98で3日続伸し「NTねじれ現象」。売買高は34億株、売買代金は2兆2732億円だった。

 業種別騰落率プラス上位セクターはその他製品、精密機器、その他金融、ガラス・土石、卸売、医薬品など。マイナス下位セクターは海運、石油・石炭、証券、電気・ガス、パルプ・紙、建設などだった。(編集担当:寺尾淳)