フェイドアウトしたはずのトヨタ・ハリアー復活

2013年10月22日 08:02

 東京モーターショー開催を控え、自動車メーカー各社の「ティーザーキャンペーン」が激しくなってきた。

 トヨタ・ハリアーはクロスオーバーSUVという新しいセグメントを切り拓く先駆車として、1997年に登場した。北米ではレクサス・ブランドとして「RX」のモデル名で販売。この、国内ではトヨタ・ブランド、北米ではレクサス・ブランドで歩み始めたことが、ある意味でハリアーの不幸の原点といえる。日本でレクサスを本格展開し、レクサスRXが3世代目に生まれ代わった以後も、ハリアーは旧型の2.4リッターガソリン車とハイブリッド車で販売を継続したものの、2012年には生産が終了し在庫処理に入り、誰もがフェイドアウトすると思っていた。

 しかし、消滅の危機にあったトヨタ・ハリアーが2013年11月に復活デビューすることが決まった。トヨタ公式HPで、すでにティーザーキャンペーンがスタートしていて、スタイリング・フォトが数カット、プロトタイプとして掲載されている。トヨペット系ディーラーの熱い要望に応え、冬商戦に間に合わせる恰好で、ハリアーが再登場する見込みとなったわけだ。

 HPの写真を見ると、ひと目でハリアー&レクサスRX一族だと分かるエクステリア、スタイリング。こうした“いかにも”なエクステリアを継承すると、レクサスRXとの棲み分けが、今回も問題となりそうだ。

 しかしながら、新型ハリアーの気になる概要・ポイントを探ってみると、そんな心配はなさそうなのだ。レクサスRXとはまったく異なるベクトルでマーケットに投入されるモデルとなる。

 次期新型ハリアーは、ガソリンエンジン車の価格は先代よりやや高くなり、ハイブリッド車はお買い得感のある価格設定となりそう、というのが大方の予想だ。おそらく、ハリアー・ハイブリッドのベーシックな最低価格モデルは、レクサスRX450hの半値をやや超える辺りになりそう。

 ガソリンモデルは排気量が先代の2.4リッターから2リッターにサイズダウン。にもかかわらず高価格設定となるのは、S-VSC(ヴィークルスタビリティコントロール:横滑り防止装置)やサイドカーテンシールドエアバッグなど安全装備を標準化したことや、その他ヘッドランプシステムやリアコンビネーションライト、フロントフォグランプをLED照明とし、プッシュ式スタートボタンの採用や静電式エアコンコントロールパネル(タッチパネル式)などの採用による価格アップようだ。


 一方、ハイブリッド仕様は価格が下がるようだ。理由は、排気量のダウン。従来の3.3リッターV型6気筒から、カムリと同じ2.5リッター直列4気筒とし、VDIM(ヴィークルダイナミクスインテグレーテッドマネジメント)も非搭載としたため。しかしながら、FF車のほかに電気式四駆であるE-Fourを採用する。

新型ハリアーのプラットフォームは日本未発売の海外仕様RAV4を流用。全長は4700mm台に達する見込み。これは先代ハリアーとほぼ同等。なお、使用ガソリンはガソリン車、ハイブリッド車ともに全車レギュラーガソリン仕様となる予定だ。最新モデルらしい先端装備も搭載され、高品質な内装とも相まってお買い得感が十分に感じられそうなモデルと言えそうだ。

 これらの噂を含む情報を整理すると、新型ハリアーのラインアップは2リッターガソリン仕様車と2.5リッター・ハイブリッド仕様があり、それぞれに4WDとFFが用意される。(編集担当:吉田恒)