【今週の振り返り】先物主導の急落多く113円上昇の実感なき週

2013年11月02日 16:01

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決算反映の業績相場と需給は別物。平穏な上昇日と乱高下の下落日の「1日交代パターン」にも終止符。

 このところの騰落が交互に来る順番で言えば「上がる日」の日経平均は138.69円高の14464.67円で始まる。TOPIXは1200台を回復。午前10時40分頃まで14450円前後の小動きが続くが、一段高になって14500円前後の水準で前場終了。後場も同じような展開で、為替も株価も動きが乏しい。それでも午後2時台になるとジリジリと値を上げて、大引けで5日ぶりに14500円をオーバーし176.37円高の14502.35円で終えた。日中値幅は101円と小さい。TOPIXは+11.00の1204.50。売買高は34億株、売買代金は2兆7213億円で、TOPIXのリバランスがらみで売買が伸びた。日経平均がプラスで2兆円を超えたのはマイナーSQの10月11日以来だった。

 プラス業種上位は海運、その他金融、証券、保険、金属製品、食料品など。下位はゴム製品、その他製造など。マイナス業種は鉄鋼、鉱業、空運、水産・農林だった。

 30日のNYダウは61ドル安。朝方は10月のADP雇用統計が市場予測を下回ったのを〃好感〃して高かったが、予想通り「量的緩和策維持」というFOMCの結果が出ると材料出尽くし感で下落した。声明文から、景気に対する姿勢は弱気ではないという微妙なニュアンスも察知していた。GMは決算は減益でも市場予測を上回ったので上昇。31日朝方の為替レートは、ドル円は98円台半ば、ユーロ円は135円台前半で、前日よりも少しだけ円安が進んでいた。

 順番では「下がる日」だが、9月30日の14455.80円を上回れるかどうか注目の日経平均は28.34円安の14474.01円で始まる。先物売りが入っても14440円で底を打ち、14400円台後半で推移。午前10時30分すぎに一時14450円を割り込むが前引けにかけて徐々に戻し、TOPIXはプラスで午前の取引を底堅く終えた。後場は開始後10分たらずで日経平均はプラスに浮上。日銀の金融政策決定会合の発表が出るのが遅く、「もしかして追加緩和か」と期待されたからだったが、午後1時14分に出た結果は金融政策現状維持で、為替は円高に振れ株価も下落した。谷は深く1時30分には14431円まで下落する。その後は14450円前後で動いていたが、午後2時40分頃に突然、先物の大口売りが入り90円以上一気に下げる急落発生。月末のドレッシング買い期待を吹き飛ばした。その後も下げ止まらず終値は174.41円安の14327.94円で、日中値幅は192円。9月末から127.86円下落して10月の取引を終え、10月のローソク足も陰線。TOPIXは-10.24の1194.26。売買高は28億株、売買代金は2兆384億円で、2日連続で2兆円を超えた。

 騰落率のプラスは鉱業、ガラス・土石、医薬品、水産・農林、電気機器の5業種のみ。マイナスは海運、パルプ・紙、証券、鉄鋼、倉庫、空運などだった。

 31日のNYダウは73ドル安で続落。10月のシカゴ購買部協会景気指数が65.9と異常に高く市場予想を大きく上回ったのを〃嫌気〃されて下落した。フェイスブック、エクスペディアは良くVISAは悪いなど決算はまちまち。一時プラスでも月末のポジション整理、利益確定売りに押された。11月1日朝方の為替レートはドル円は98円台前半、ユーロ円が133円台半ば。ユーロ圏の9月の失業率が12.2%と過去最悪で、消費者物価指数(CPI)も4年ぶりの低水準だったためECBの利下げ観測が浮上しユーロが下落した。

 順番では「上がる日」の日経平均は75.13円高の14403.07円と買い先行で始まるが、一巡後は14300円台後半の水準が続き勢いは弱い。10時30分すぎにTOPIXから先にマイナスになり、日経平均も11時1分の14240円までズルズルと大きく下げる。ひと休みした後も前場は14202円まで下げ、11月相場は先物主導で初日から荒れ模様になった。

 後場はさらに一段安。為替レートがドル円は98円、ユーロ円は133円を割り込むなど円高が進んだためで、日経平均は14126円まで落ち込む。やはり3連休前の金曜日は下げがきつい。しかも連休明けの5日に東証のカラ売り規制が緩和され、影響が見定めにくいのでとりあえず手じまいする動きもあったようだ。その後は14200円にたびたびタッチしながらそのたびに14100円台に押し下げられたが、終値は126.37円安の14201.57円。10月22日以来の上昇と下落が並ぶパターンが崩れて続落し、2勝3敗ながら前週末から113.38円上昇して今週の取引を終えた。TOPIXは-11.23の1183.03。売買高は27億株、売買代金は2兆2447億円と膨らんだ。

 プラスは石油・石炭、ガラス・土石、パルプ・紙、情報・通信の4業種。マイナス幅が小さいのは食料品、医薬品などで、大きいのは海運、その他金融、電気・ガス、証券、保険、陸運などだった。(編集担当:寺尾淳)