【今週の振り返り】ドル円100円超えで1079円も大幅上昇した週

2013年11月16日 20:11

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183円高、318円高。21円安で充電した後は309円高、289円高で越すに越されぬ15000円を突破

 取引時間前に発表された7~9月期の国内総生産(GDP)成長率速報値は年率換算で市場予測の+1.6%を上回る+1.9%だったが、4~6月期の3.8%からは半減。それでも日経平均は98.59円高の14665.75円で始まり、すぐ14700円を突破する。高く始まった要因は14日のイエレン次期FRB議長の上院公聴会での証言草稿が事前にFRBから公表されたことで、「失業率が高すぎる」「雇用回復の道のりはまだ遠い」と量的緩和の縮小を急がないハト派的姿勢が明らかになってマーケットに安心感がひろがり「イエレン公聴会待ち」は消滅。バーナンキFRB議長の講演内容は経済見通しや金融政策に言及がなく、待つまでもない中身だった。

 10月23日以来の14700円台を回復した日経平均は前場、一進一退しながら値を切り上げ、上海、香港市場も上昇し足を引っ張らなかった。日経平均先物が主導する相場が極まって、後場が始まるやいなや14800円台を飛び越えていきなりの14900円タッチ。麻生太郎財務大臣が国会答弁で「為替介入の手段も必要」と発言したのが材料で、ドル円は25銭、ユーロ円は30銭ほど一気に円安に振れた。しかし14966円をピークに上昇の勢いはストップし、午後1時すぎには14900円を割り込んで昼下がりの急騰劇は終了した。

 その後は14900円台での小動きで推移する。2時30分すぎから利益確定売りが入って下落するが終値は309.25円高の14876.41円と、前日の〃充電〃が効いたか大幅反発した。日中値幅は301円もあった。TOPIXは+14.36の1218.55。上昇率は日経平均の2.12%に対してTOPIXは1.19%と大幅に低く、先物に引っ張られた日経平均の上昇がTOPIXを置き去りにした観があった。売買高は30億株で10月31日以来の30億株台。売買代金は2兆5216億円と盛り上がった。

 業種別騰落率では鉱業セクターが唯一マイナスになる。プラス上位は証券、不動産、海運、倉庫、小売、空運など。プラス下位は医薬品、水産・農林、繊維、ガラス・土石、卸売などだった。

 14日のNYダウは54ドル高。午前はシスコシステムズやウォルマートの決算が思わしくなくマイナスの時間帯もあったが尻上がりに上昇。イエレン次期FRB議長の上院公聴会は事前公表のシナリオ通りで質疑でボロを出すこともなく終了し、ダウは史上最高値更新継続。前日のロンドン時間にドル円が2ヵ月ぶりに100円台にタッチし、15日朝方の為替レートはドル円は100円台前半、ユーロ円は134円台後半になり、どちらも前日より1円近くの円安になっていた。

 CME先物清算値は15000円を突破し、日経平均は157.92円高の15034.33円と5月24日以来のザラ場中15000円台をあっさりクリアして始まる。午前9時24分に一度は15000円を割り込むが、10時台には上海、香港市場の続伸も後押しして15100円にタッチし、前場は15100円台に定着して終了。後場もドル円は100円台でゆるやかに円高が進行したにもかかわらず堅調で、午後2時44分には15200円台にもタッチして15203円の高値をつける。終値は289.51円高の15165.92円で、5月23日の大暴落前日の22日以来の終値15000円オーバー。4勝1敗、前週末から1079.12円も大幅上昇して今週の取引を終えた。TOPIXは+20.49の1239.04。売買高は32億株。売買代金は2兆8833億円で7月19日以来の高水準になった。

 業種別騰落率は空運だけマイナスで、値上がり業種上位は証券、保険、倉庫、その他金融、海運、ゴムなど。値上がり業種下位はサービス、建設、繊維、電気・ガス、輸送用機器などだった。(編集担当:寺尾淳)