野村証券、営業企画部にNISA専門チームを設置

2013年12月15日 13:18

 11日、野村ホールディングス<8604>傘下の野村証券は、2014年1月から始まる少額投資非課税制度(NISA)に照準を合わせ、その普及を加速することを目的とした「野村NISAチーム」を営業企画部に設置したことを発表した。「野村NISAチーム」は3人編成で、セミナーの開催や投資家向けの情報を発信していくことにより、「NISA」の認知度を上げること以外に、新たな顧客の獲得を目的としている。

 「NISA」口座の投資家獲得を巡り、今、多くの会社がしのぎを削り合っている状態だが、野村証券では2日付けで営業企画部内に「野村NISAチーム」を設置し、これにより来年から始まる新制度についての情報発信を行い、そして普及を強化させて行く。そしてこの新制度の開始により、これまで証券投資の経験のない新しい顧客の開拓が見込めるとの判断を示している。

 グループ会社である野村アセットマネジメントが行なった「NISA」についての調査によれば、その新しい制度に対する世間の認知度は10月の段階で65%であり、3ヶ月前の調査の際に出された40%という数値からは上昇したものの、決して「広く認知されている」とは言い難い結果であり、また「NISAという名称は知っていても、内容までは知らない」という回答者が37%、そして「NISAの利用は考えていない」という回答も66%と拡大しており、証券投資の経験のない人々へいかに普及させていくかが大きな課題となっている。

 11月末の時点で、野村証券が受け付けた「NISA」の口座開設件数は106万件であり、これは業界トップの数字ではあるのだが、しかしそれらの多くはすでに野村証券に口座を持っている既存客ばかり。そのため野村証券としては、今回こうして専門のチームを営業企画部内に設置し、大きな課題である新規顧客の開拓に弾みをつけようと考えている。

 「NISA」は年間100万円までの投資なら非課税で出来る新制度で、これまで株式や投資信託といった投資の経験のない若年世代にとっては、資産を形成するためのツールとして、大きなメリットがあるとみられている。従来、対面証券会社の顧客の多くは高齢者である。こういった顧客層をいかに次の世代に繋げられるかが、証券会社にとって重要な経営課題となっている。(編集担当:滝川幸平)