【日経平均】値動きに奇妙な静寂感が漂い241円安と反落

2014年01月09日 20:31

 しかし、前日に東原敏昭専務の社長就任、中西宏明社長の会長兼CEO就任を発表し、インフラ事業の重視、リストラから成長路線へのチェンジを明確に示した日立<6501>は9円安で7日ぶり反落。前日良かった三菱重工<7011>は5円安、任天堂<7974>も430円安と反落した。キヤノン<7751>は12月期決算の営業利益が約3200億円で横ばい、今期も小幅増収増益が精いっぱいという業績観測報道を受けて65円安だった。

 6月に退任する米倉弘昌経団連会長の後任に東レ<3402>の榊原定征会長を起用する方向で最終調整に入ったと午後2時に報じられたが、東レ株は下落で反応し15円安。原子力規制委員会が「高浜原発の再稼働は今年不可能ではない」と述べ関西電力<9503>は15円高。クボタ<6326>はドイツ証券がレーティングを引き上げて36円高。旭硝子<5201>は12月期の営業利益23%減という業績観測記事が出て6円安だった。

 スター精密<7718>は第3四半期決算を発表し経常利益は5.9%増、9~11月期は2.3倍の経常増益で125円高で昨年来高値を更新し値上がり率7位に入った。値上がり率1位は澁谷工業<6340>でストップ高の500円高。2位は半導体検査装置を製造する日本電子材料<6855>でこれもストップ高の80円高。日本半導体製造装置協会が2013年度の半導体製造装置の販売額が前年度比8.5%増と発表したのが材料で、同業のアドバンテスト<6857>も7円高だった。

 味の素<2802>は京都大学と共同で感染症リスクの低いiPS細胞の培養法を開発すると報じられ、前場は買われ昨年来高値を更新したが結局2円安。「まだ先の話」という正直なコメントが出ていた。日本マクドナルドHD<2702>は12月の既存店売上高が9%減収で5円安。イオン<8267>グループ入りしたダイエー<8263>は2月期の業績見通しを下方修正し、営業損益は10億円の黒字から60億円の赤字に、経常赤字は30億から80億円に拡大して26円安で値下がり率4位。イオンは34円安だった。同グループのミニストップ<9946>は2月期の業績予想を純利益5割減に下方修正し39円安。セブン&アイHD<3382>は前日の反動で40円安、大引け後に決算を発表したローソン<2651>も30円安だったが、コンビニは「3強」とその下の二極分化が進んでいる。

 この日の主役はソニー。CESでは平井一夫社長ともども大モテで、ADR(米国預託証券)市場では終値4.82%上昇と買われ、そのまま東京市場に持ち込まれ朝から逆行高し終値は69円高で売買代金1位。「スマホでアメリカ、中国に進出し売上を2年で倍にし世界第3位を目指す」「電池事業は安定した拡大を目指す」といった平井社長の発言が好感され、「PS4」の販売計画を上方修正する景気のいい話も飛び出した。「世界のソニー」は全く色あせていない。(編集担当:寺尾淳)