13年の百貨店売上高、16年ぶりにプラス

2014年01月20日 16:29

 17日に日本百貨店協会が発表した2013年の全国の百貨店売上高は、店舗数の増減を考慮しない全店ベースで前年比1.2%のアップで、16年ぶりの前年比プラスだった。

 店舗数調整後の既存店ベースでも前年比で1.6%アップとなり、前年を2年連続上回った。こうしてプラスに至った要因として、首都圏の店舗で実施された増床や改装などの効果、さらには景気回復が追い風となったとみられる。ただし、全国10都市以外の地区(店舗数調整後)は、前年が0.6%ダウンだったの対して、13年は1.0%ダウンと、マイナス幅が拡大した。

 13年の全店ベース売上高は6兆2171億円、10年の6兆2921億円以来の水準だった。 日本百貨店協会の井出陽一郎専務理事は会見にて、「マイナス傾向に歯止めがかかった。株高や急激な円高是正が追い風となった」と述べ、また12年と比較して13年には店舗の数が7店舗減少したにもかかわらず、こうして全店ベースで前年比プラスとなったことは「大きな意味がある」と評価した。また、「震災の後、良いものを長く使うという傾向がある。それに対応するような形で、都心の大型店を中心に増床や改装を行った効果が表れた」とプラスに至った背景をこう分析した。

 商品別では、高級腕時計などを含む美術・宝飾・貴金属が14.8%アップと大幅に伸び、化粧品や家具などもプラスとなった。百貨店販売の約3割を占める衣料品は0.2%ダウン、食料品も0.3%のダウンであり、まだまだ日常生活レベルでの財布の紐は緩んでいるとは言い難い現状が浮き彫りとなった。

 前年と比較可能な店舗を集計した既存店ベースでは、1.6%アップと2年連続のプラスだった。主要10都市と全国8地域別の集計では、札幌、仙台、東京(23区)、横浜、名古屋、大阪、福岡の7都市がプラス、京都、神戸、広島の3都市はマイナスだった。

 また、同時に発表した13年12月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比1.7%アップの7257億円と、2ヶ月連続でプラス。12月は気温の低下の影響により冬物需要が高まった以外にも、景気回復ムードによる株高や冬のボーナスの増加、そして消費税増税前の駆け込み需要などにより、主力である衣料品が堅調に推移した。また、ラグジュアリーブランドや高級時計・宝飾品などの高額品の売れ行きも活発であった。

 調査対象となった百貨店は85社、242店舗。東京地区は前年比3.6%アップと、5ヶ月連続でプラスとなった。(編集担当:滝川幸平)