サントリーは純利益が4倍以上 13年は過去最高の増収増益

2014年02月22日 14:43

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「ザ・プレミアム・モルツ」は1767万ケースと好調に推移し、10年連続で過去最高の販売数量を達成した。

 サントリーホールディングスは2014年2月17日、2013年12月期(2013年1月1日~12月31日)の連結業績を発表した。今期は、売上高は前年同期比10.2%増の2兆402億円、営業利益は同17.5%増の1266億円、経常利益は同17.0%増の1206億円、また当期純利益は同433.9%増の1956億円となり、いずれも過去最高となった。
 
 サントリーグループは、「ザ・プレミアム・モルツ」、「金麦」、「角瓶」、「山崎」「白州」、「BOSS」、「伊右衛門」、「サントリー天然水」、「PEPSI」といった主要ブランドのマーケティング活動強化に加え、特定保健用食品の発売やRTS※1カテゴリーの開拓など新たな需要の創出に向けた取り組みを積極的に展開した。また、SCMコスト削減による収益力強化にも取り組んだ。7月には、同社連結子会社であるサントリー食品インターナショナルが東京証券取引所市場第一部に上場した。

 上場したサントリー食品インターナショナルが展開している同グループの缶コーヒー主力製品である「BOSS」とその新製品「グランアロマ」が好調で前年割れと推定される缶コーヒー総市場の中で、前年同期を上回る販売数量を達成した。お茶の「伊右衛門」ブランドは、「伊右衛門」、「贅沢冷茶」が好調に推移したことに加え、10月に発売した特定保健用食品「特茶」が当初販売計画を上回ったことも寄与し、販売数量が大きく伸長した。「サントリー天然水」は、リニューアル等によりブランド強化を図ったことに加え、無糖炭酸水市場に投入した「サントリー 南アルプスの天然水 スパークリング」が好調に推移し、販売数量が大幅に伸長した。

 以上の結果、飲料・食品セグメントの売上高は前年同期比13.2%増の1兆1143億円となった。

 サントリー酒類が展開するビール事業は、総市場が前年同期比99%程度と推定される中、前年同期比3.1%増の7053万ケースと、過去最高の販売数量を達成した。ビール類のシェアは14.7%(課税出荷数量ベース)で過去最高となった。

 ブランド別には、「ザ・プレミアム・モルツ」が前年同期比6.7%増の1767万ケースと好調に推移し、10年連続で過去最高の販売数量を達成した。新ジャンルでは、「金麦」が同4.5%増の2743万ケースと伸長したほか、「金麦 〈糖質70%オフ〉」が同36.0%増の574万ケースとなった。また、ノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」も、同9.5%増の6937万ケースとなった。

 スピリッツ事業は、主要ブランドの強化や新たなカテゴリーの創出など、積極的に価値提案を行った結果、前年同期比3%増の売上となった。ウイスキーは、主要ブランドが好調に推移した。「角瓶」は食との相性を積極的に訴求した結果、同3%増と伸長し、1993年以来20年ぶりに300万ケースを突破した。

 サントリー(中国)ホールディングス有限公司は、ビール事業において、新たに設立した中国のビール会社青島酒股チンタオピーチュウグーフェン有限公司との合弁会社が事業を開始したほか、飲料事業では主要ブランド「烏龍茶」が伸長した。一方、洋酒事業や「ASC Fine Wines Holding」が、倹約令による高級酒の需要減少の影響を受けた。

 サントリーワインインターナショナルのワイン事業は、前年同期比4%増となった。国産ワインでは、国産ぶどう100%ワイン“日本ワイン”が引き続き伸長したほか、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」が、前年同期比39%増と好調に推移した。 輸入ワインでは、スパークリングワイン「フレシネ」が伸長した。これらの結果、その他セグメントの売上高は、同12.7%増の3552億円となった。

 次期については売上高は前年同期比8.8%増の2兆2200億円、営業利益は同15.4%増の1460億円、経常利益は同16.1%増の1400億円、当期純利益は同74.5%減の500億円を予定している。

 ハイボールを復活させるなどこのところ積極的な展開で好調なサントリー。ビール市場では市場自体が縮小する中でもシェアを拡大した。しかし、4月の消費税の増税の影響など、懸念材料もある。(編集担当:慶尾六郎)