前週末14日のNYダウは3連休を前に126ドル高と続伸。NASDAQは7日続伸。ユーロ圏の10~12月期GDPは年率換算1.1%増と好調。輸出物価が前月比0.2%増、ミシガン大学消費者信頼感指数は横ばいながら市場予測を上回って好材料が揃った。鉱工業生産は前月比0.3%減だったが「寒波のせい」にされ不問。17日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は139円台前半で、14日から円安方向に戻っていなかった。
取引時間前発表の日本の10~12月期実質国内総生産(GDP)1次速報値は年率換算で7~9月期より0.1ポイント減速して1.0%増。市場予測の2.7%増と比べると大幅に低かったが日経平均は30.70円高の14343.73円で始まる。しかしTOPIXが先行して午前9時15分すぎには日経平均もマイナスに転落し14300円を割り込む。やはりGDP速報値はまさかのネガティブサプライズだったようで、為替のドル円は101円台前半まで円高が進行し日経平均は9時37分に14214円まで下げる。追加緩和策の発表を期待したのか10時台はTOPIXともどもプラスにタッチする時間帯があり、上海も香港も含めてアジア市場がみんなプラスで始まったのを受けて11時台はプラスに浮上して14400円台にもタッチし、前引は56円高の14369円だった。
後場は前引の水準がスライドしてプラス圏で始まり、ドル円が101円台後半に戻ったこともあり一段高の14400円近辺で推移するが、12月の鉱工業生産指数確報値が速報値よりも0.2ポイント低下と発表されると午後1時30分頃から水準を下げて瞬間マイナスにタッチと、方向性が定まらない。あとはプラス圏の14300円台を維持し、大引け前には14400円に接近して終値は80.08円高の14393.11円とプラスで終えることができた。日中値幅は213円。TOPIXは+8.23の1192.05。売買高は22億株、売買代金は1兆8955億円。今年に入って2回目、1月20日以来の2兆円割れで、アメリカが3連休中でもあり商いは薄くなった。
値下がりはサービス、情報・通信、鉱業、精密機器の4業種。値上がり29業種上位はパルプ・紙、電気・ガス、証券、非鉄金属、水産・農林、その他金融など。下位は化学、輸送用機器などだった。
17日のNY市場は「プレジデント・デー」の祝日で休場。18日朝方の為替レートは、ドル円は102円台前半、ユーロ円は139円台後半で早朝から円安に動いた。日経平均は121.36円高の14514.47円で14500円台に乗せて始まる。TOPIXもすぐ1200の大台を回復した。徐々に水準を切り上げ、9時台のうちに14600円台に乗せる。しかし10時台には14500円台後半、続いて前半まで後退し、為替も円高方向に戻って日銀の金融政策決定会合の結果を待つ緊張感が高まる。前引は14526円で、TOPIXはかろうじて1200台に踏みとどまった。
正午すぎに発表された日銀の金融政策決定会合の結果は、金融政策もマネタリーベースも現状維持だったが、「3月末期限の成長基盤支援制度の規模を2倍とし1年延長」「金融機関の貸出増加を支援する制度の貸出増加額を、日銀の金融機関への低利融資増加額の2倍分とし1年延長」「4月末期限の東日本大震災被災地の金融機関を支援する資金供給オペを1年延長」というミニ版量的緩和拡大とその期間延長が付け加えられた。「付利の撤廃」のような本格的追加緩和は4月以後まで温存したいが、GDPを見て何もしないわけにいかず「苦肉の策」に近い。これに対し為替も後場寄りの株価も乱高下で反応。「現状維持」でひとまずドル円は101円台後半、日経平均は14469円まで円高、株安が進行した。「日銀が動いた」こと自体に意義があったようで、直後に為替は円安方向へ、株価は上昇方向へと急反発した。
午後0時台のうちに為替のドル円は102円台後半、ユーロ円は140円台後半まで一気に円安に振れ、日経平均は14700円台まで上昇し、TOPIXは1210を突破した。1時台には日経平均は12日の終値ベースの戻り高値14800円、TOPIXは1220にタッチし、2時台になるとそれぞれ14800円台、1220台で安定する。日経平均は2時28分に14900円にタッチした後は少し下げたが、終値は450.13円高の14843.24円と大幅続伸。日中値幅は後場の2時間足らずの間に431円上昇した。TOPIXは+31.95の1224.00。売買高は29億株、売買代金は2兆4364円と増加した。
全業種がプラスで、上位は銀行、その他金融、不動産、情報・通信、その他製造、証券など。下位は電気・ガス、水産・農林、空運、石油・石炭、鉱業、食料品などだった。