【日経平均】ウクライナも気になり47円安で木曜8連敗

2014年02月27日 20:18

 東京エレクトロン<8035>は今期の純現金収支が2期ぶりに黒字という観測が出て113円高。アドバンテスト<6857>は300億円のユーロ円建て転換社債型新株引受権付社債(CB)発行を発表し希薄化懸念で18円安。キヤノン<7751>は売買代金10位に入り9円高だった。日本ガイシ<5333>は47円高で昨年来高値更新。アマダ<6113>はSMBC日興証券がレーティングを引き上げて21円高。椿本チエイン<6371>は同証券が目標株価を引き上げて56円高で昨年来高値を更新し値上がり率3位。JUKI<6440>は岩井コスモ証券が目標株価を引き上げて3円高だった。売買高1位、売買代金8位の神戸製鋼<5406>は1.8億株の売買が成立し、東証1部売買高の8%を占めた。この日は公募増資の受渡日で、今は株券不発行なので新株の代金を払い込んだ投資家の口座には神戸製鋼株が現れて売買ができる状態になった。株価は1円安。

 医薬品は好調で電気機器、精密機器とともにプラスのセクターに入り、185円高のアステラス製薬、39円高の中外製薬<4519>が昨年来高値を更新。180円高の鳥居薬品<4551>は値上がり率9位だった。その一方で業種別最下位だったのが不動産セクターで、今年はずっと不振続き。日経平均マイナス寄与度の4~6位に並んだ大手3社は、大発会の1月6日の終値と比べるとこの日103円安の三井不動産<8801>は18.4%、78円安の三菱地所<8802>は21.4%、129円安の住友不動産<8830>は19.2%、それぞれ下落している。皮肉にも東証REIT指数は3日続伸。「ジョージ・ソロスが日本株を売った」と話題だが、海外の機関投資家はアベノミクスに完全に見切りをつけたわけではなくても、手持ちのセクターや銘柄の見直し、組み替え、整理は行っているだろう。

 テーマ物色はこの日も盛んで、リチウムイオン電池関連のチタン工業<4098>は5円高、ゲーム関連でもLINE関連でもあるエイチーム<3662>は210円高。ロシアとウクライナから火薬の匂いがすると防衛関連の石川製作所<6208>が買われ、6円高で値上がり率8位に入った。JIN<3046>が値上がり率4位の163円高と続伸した材料は「花粉症対策用メガネ」を出していること。雪が残っていてももう花粉症の季節に入った。

 値下がり率16位の楽天<4755>の68円安は、前日からの「ビットコイン」取引停止の大騒動で「電子マネーのEDYは大丈夫か?」という「連想誤解売り」の要素がありそう。ソニーのフェリカの技術を使うEDYは円で決済する。旅行需要拡大でエイチ・アイ・エス<9603>は80円高で昨年来高値更新。2月決算で前日が権利落ち日のJフロントリテイリング<3086>は41円安と続落し値下がり率5位だった。

 この日の主役は「情報システム」関連銘柄。この日はみずほ銀行がシステム統合を2017年春に1年延期すると発表し、前日は日本郵政グループが3年間で1兆3000億円の情報システム投資を行うと報じられた。大手のNTTデータ<9613>は70円高で昨年来高値を更新し、伊藤忠テクノソリューションズ<4739>は100円高。OAの大塚商会<4768>は180円高で昨年来高値更新、昨年来高値を更新したNEC、富士通も大型情報システムを手がけ、みずほのシステムは富士通が関わっている。ATMのOKI<6703>は5円高。金融系に限らず情報システム投資はいま活発で、情報処理技術者の不足も深刻だ。(編集担当:寺尾淳)