オリンパスが、同社の連結子会社であるアイ・ティー・エックスの行っている情報通信に関する事業を、日本産業パートナーズへ譲渡すると発表。譲渡価額は530億円だという。
オリンパスは、6月8日に公表した中期ビジョン「原点回帰”Back to Basics”」の基本戦略の一つとして「事業ポートフォリオの再構築・経営資源の最適配分」を掲げ、医療事業、ライフ・産業事業、映像事業を事業ドメインと位置付けている。一方、これら以外の事業については、事業ごとに最適な価値向上策を再検討し、オリンパスでの事業継続が難しいと判断した事業については、売却・撤退等を行う方針としている。
こうした中、アイ・ティー・エックスが営む携帯電話等のモバイル端末販売を中心とする情報通信事業は、2012年3月期に売上高約2294億円、営業利益約53億円となっており、グループ内でも安定的な収益を上げていた。一方で、同事業の更なる成長を実現するためには、積極的な店舗展開や人材投資に加えて、経営ノウハウと資金を含む経営資源の投入が迅速かつ積極的に行われる体制の整備が必要となる。こうした中、中期ビジョンの基本戦略に沿って検討を行った結果、他社への譲渡を決定、本件譲渡に至った。
非事業ドメインの見極め・整理を積極的に実施し、医療事業をはじめとする事業ドメインへ経営資源を戦略的に投下するというオリンパス。コスト構造の見直し、財務の健全化、ガバナンスの再構築等により、譲渡される事業は今後も出てくるであろう。どういった事業がどういった企業に譲渡されるのか、注目を集めるところであろう。